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「弾性塗料ってどんな塗料なのだろう?」「弾性を選ぶメリット・デメリットって何?」弾性塗料が良いらしいとは聞いていても、その特徴やメリット・デメリットまでは知らない方がほとんどでしょう。調べることが多すぎて途方にくれてしまう方もいるはずです。弾性塗料の特徴や注意点を押さえ、あなたの自宅にふさわしい塗料か考えてみましょう。
弾性塗料はゴムのように伸び縮みする性質を持った塗料です。
この性質のおかげでひび割れが起きにくいといったメリットがあります。
弾性塗料の施工には塗装の専門知識が必要です。
専門外の方が見よう見まねでやっても十分な効果は発揮されません。
弾性塗料で塗装する際は、必ず専門の業者に依頼する必要があります。
まずは弾性塗料にどのようなメリットがあるのか押さえておきましょう。
弾性塗料が持つメリットは以下の3つです。
1.塗膜がひび割れしにくい
2.防水性が高い
3.モルタル外壁の劣化を防ぐ
それぞれ詳しく解説します。
弾性塗料は伸び縮みする性質があるため、塗膜がひび割れしにくい塗料といえます。
ひびの発生を抑えることで見栄えの悪化を防ぎ、雨風からも家を守ってくれます。
そもそもなぜ外壁にひび割れが起きるかを疑問に思う方もいるでしょう。
外壁は、自宅の前を通る車や地震の振動によってわずかに動きます。
雨風の影響も受けることから、経年劣化による外壁のひび割れは避けられません。
硬い塗料を使っている場合、外壁にひびが発生すると塗膜も一緒に割れてしまいます。
しかし、弾性塗料であれば塗膜が伸びてくれるため、ひびの表面化を防ぎダメージを最小限に押さえられます。
もし塗膜にひびが発生すると、この隙間から雨水が侵入して内部の建材を痛めます。
冬はひびに入った水分が凍って膨らみ、さらにひび割れを大きくしてしまう恐れもあるのです。
弾性塗料は外壁にピッタリと密着する性能を持っています。
密着性があることで雨水が塗膜の内側へ侵入しにくくなり、防水性能が高まります。
また、弾性塗料は他の塗料より厚めに塗ることが多いため防水性の向上が期待できるのです。
モルタルはひび割れが起きやすい外壁です。
そのため、ひび割れを防ぐ弾性塗料とは相性が良いといえます。
塗料の中ではグレードが高いとされている「フッ素塗料」でもひび割れは起きます。
どんなに塗料の性能が良くても、ひび割れが起きてしまえば台無しです。
ひびから雨水が入り、中の建材にダメージを与えてしまうでしょう。
弾性塗料には以下のデメリットがあります。
1.耐用年数が短い
2.膨らみやすい
3.施工が難しい
それぞれ解説します。
弾性シリコン塗料の耐用年数は8〜12年程度です。
これは、非弾性の塗料に比べてやや耐用年数が短いです。
グレードの高い「弾性フッ素塗料」と組み合わせる手もありますが、それでも通常のフッ素塗料ほどの耐用年数にはなりません。
分厚く塗ることで耐用年数を延ばす方法もあります。
しかし、分厚く塗った分だけ費用が高くなってしまうというデメリットもあります。
ひび割れ防止を優先させるのか、耐用年数を優先させるのかは状況によって判断は変わります。
詳しくは外壁塗装の業者と相談する必要があるでしょう。
弾性塗料は通気性が低い塗料です。
内側から外側へ湿気を逃せないため、塗膜の一部が風船のように膨らんでしまうこともあります。
一度膨らんだ塗膜は見た目が悪く、放っておいても元に戻りません。
このデメリットがあることから、弾性塗料を使うことは以前より少なくなりました。
ただし、現在は通気性を高めた弾性塗料も販売されています。
外壁塗装を行う前には、高圧洗浄で外壁の汚れを落とします。
その後、十分乾かしてから塗装を行うのですが、完全に乾く前に塗装を始めると塗膜が膨らむ原因になります。
弾性塗料の塗装には専門知識や熟練の技術が不可欠です。
業者をより慎重に選ぶ必要があるのは弾性塗料のデメリットといえるでしょう。
さっそく業者を探してみる
弾性塗料の施工方法は以下の3パターンです。
1.単層弾性工法
2.複層弾性工法
3.微弾性塗料工法
それぞれ詳しく解説します。
単層弾性工法では、シーラーと呼ばれる下塗り材を塗った後、単層弾性工法用の塗料を2階に分けて塗ります。
この工法は施工が簡単で、工期が短く費用も安く抑えられます。
ただし、単層弾性工法では弾性が長持ちせず、シリコン塗料でも8〜12年ほどで効果が失われるのがデメリットです。
塗り直しの回数が多くなるため、長期的なコストパフォーマンスは悪くなります。
シーラーを1度塗り、高弾性塗料を2回、仕上げの塗料を2回塗る方法です。
長持ちはしますが、それだけ手間がかかります。
複層弾性工法の場合、耐用年数は10〜20年ほどになります。
しかし、費用はかなり高くついてしまいます。
微弾性フィラーと呼ばれる下塗り材を塗り、上塗り用の塗料を2階に分けて塗る方法です。
弾性があるのは微弾性フィラーのみで、上塗り用の塗料ではシリコン塗料やフッ素塗料など、一般的な塗料を使います。
この工法で施工した場合、弾性自体は2〜3年ほどで失われます。
ただ、上塗り材が残っていれば塗膜は外壁を保護できるため、単層弾性工法のように頻繁に塗り替える必要はありません。
弾性塗料は高弾性塗料と微弾性塗料に分けられます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
高弾性塗料 | 20度の環境で120%以上伸びる |
---|---|
微弾性塗料 | 20度の環境で50〜100%程度伸びる |
高弾性塗料の基準はJIS規格で明確に定められています。
一方で、微弾性塗料は特に何かで定められているものではなく、慣習的な定義です。
微弾性塗料は2〜3年で弾性がなくなってしまうことも覚えておきましょう。
色のバリエーションは他の塗料と大差はありません。
代表的な弾性塗料としては以下の商品が挙げられます。
1.EC-5000PCM
2.DANシリコンセラ
3.シリコンテックス
以下、それぞれの塗料について紹介します。
株式会社アステックペイントジャパンが販売している弾性塗料です。
伸縮率が600%と圧倒的な性能を持っており、弾性塗料の中でも高い知名度を誇ります。
日本ペイント株式会社が販売している弾性塗料です。
ひび割れに強いのはもちろん、透湿性や防汚性能にも優れています。
関西ペイント株式会社が販売している弾性塗料です。
気温の変化や雨風に強く、見栄えを長期間維持できます。
さっそく業者を探してみる
弾性塗料を採用する場合に気をつけていただきたい点が2つあります。
それは、窯業用サイディングボードには使用できないことと、業者選びを慎重に行うことです。
それぞれ詳しく解説します。
窯業系サイディングボートとは、セメントと繊維質の材料を混ぜた板状の建材です。
熱を吸収しやすく、夏場は高温になるという特徴があります。
外壁が高温になると弾性塗料の塗膜は膨らんでしまいます。
これは塗料と外壁が密着できていない状態であり、剥がれの原因になってしまうのです。
そもそも窯業系のサイディングボードはひび割れが起きにくいという特徴があります。
そのため、弾性塗料でひび割れ対策をする必要はありません。
弾性塗料は施工に技術が必要です。
ただ塗るだけでは十分な効果が発揮されないため、外壁塗装に詳しい専門の業者を選ぶ必要があります。
ただし、外壁塗装に関しては悪徳業者もいるので注意してください。
悪徳業者に騙されないためには相見積もりを取りましょう。
相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼することです。
相見積もりを取れば相場を把握することができ、不当に値段を釣り上げられる心配もなくなります。
複数の見積もり書を見れば、一番安い業者に依頼したいと思うでしょう。
ただ、安すぎる業者は手抜き工事をする恐れがあります。
弾性塗料は他の塗料よりも伸び縮みする性質を持っており、ひび割れに強く、雨水から家を守ってくれます。
耐用年数が短いなどのデメリットもありますが、塗料の種類や施工方法でカバーできる問題もあります。
弾性塗料が使われることは減ったとはいえ、検討する価値は十分あるといえるでしょう。
依頼の際には相見積もりで信頼できる業者を見つけ、具体的な計画を話し合ってください。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
弾性塗料について教えてください。 |
---|
弾性塗料はゴムのように伸び縮みする性質を持った塗料です。 |
弾性塗料のメリット・デメリットについて教えてください。 |
メリットは、塗膜がひび割れしにくいこと、防水性が高いことなどで、デメリットは、耐用年数が短いこと、膨らみやすいことなどです。 |
弾性塗料を使用する時に、気を付けることを教えてください。 |
窯業系サイディングボードには使用できないことを忘れない、外壁塗装の専門業者で相見積もりを取るようにする、といったことが挙げられます。 |
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