「リシン吹き付けの工程や、メリットとデメリットが知りたい」「リシン吹き付けにかかる費用相場が知りたい」住宅の外壁の仕上げ塗装がリシン吹き付けの場合、メンテナンスする際にこのように悩む方もいらっしゃることでしょう。外壁塗装は住宅を経年劣化から守るためにも大切な工事です。そのため、外壁の仕上げ塗装がどのように行われているか、メンテナンスはどのようにするかを知っておきましょう。リシン吹き付けについて基礎知識を持っておくことで、大切な住宅の外壁塗装の失敗を避けられるでしょう。
リシン吹き付けとは?
リシン吹き付けとは、モルタル外壁の塗装仕上げ法の一つです。
上塗り塗装材に骨材(小さな石や砂)を混ぜ、スプレーガンを使って吹き付ける塗装方法です。
手で触るとザラザラとした感触の、細かいデコボコがある外壁に仕上がります。
リシン吹き付けのメリット
リシン吹き付けのメリットには、以下の3つがあります。
・工事費用が安い
・落ち着いたデザインで高級感がある
・通気性がある
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
工事費用が安い
リシン吹き付けはローラーを使って手作業で行う一般的な塗装方法とは違い、塗料をスプレーガンで吹き付けるため作業時間が短時間で済み、工事費用が安くなります。
またリシン材も安いため、素材の価格も抑えられます。
落ち着いたデザインで高級感がある
リシン吹き付けは、艶が抑えられた高級感のある外壁に仕上がります。
落ち着いた外壁のデザインに仕上げたいという方におすすめです。
通気性がある
リシン吹き付けは通気性に優れているため、湿気を放出しやすい外壁となります。
日本の住宅におすすめの塗装仕上げ法です。
リシン吹き付けのデメリット
リシン吹き付けのデメリットには、以下の2つがあります。
・クラック(ひび割れ)が起こりやすい
・汚れが付きやすい
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
クラック(ひび割れ)が起こりやすい
リシン吹き付けでは、塗膜が薄いためクラック(ひび割れ)が起こりやすいです。
クラックを放置しておくと内部にまで雨水が浸透し、腐食させてしまう恐れがあります。
リシン吹き付けは工事費用が安い代わりに、クラックに注意しなければいけないということを覚えておきましょう。
汚れが付きやすい
リシン吹き付けは細かくデコボコとした突起がある外壁に仕上がるため、隙間に汚れが付きやすくなります。
また、デコボコの突起の隙間に水が溜まり、カビやコケを生やしてしまうこともあります。
外壁の汚れは外観を損ねるだけでなく、外壁を劣化させる原因にもなるので定期的に塗装し直すなどのメンテナンスが必要です。
リシン吹き付けのメリットとデメリットを、わかりやすく一覧表にまとめました。
メリット |
・素材、工事費用ともに安い ・高級感のあるデザインに仕上がる ・通気性がよく日本の住宅におすすめ |
デメリット |
・クラック(ひび割れ)に注意しなければならない ・デコボコとした突起にカビが生えやすく汚れてしまう |
リシン吹き付けの塗装について
\地元の業者に相談したい!/
リシン吹き付けにかかる費用相場
リシン吹き付けにかかる費用相場は、1平方メートルあたり1,000円です。
モルタル外壁の吹き付け塗装方法には、リシン吹き付け以外に「スタッコ仕上げ」と「吹き付けタイル仕上げ」があります。
スタッコ仕上げの費用相場は、1平方メートルあたり3,000円です。
吹き付けタイル仕上げの費用相場は、1平方メートルあたり2,000~2,500円です。
吹き付け塗装方法の中でも、リシン吹き付けは工事費用が一番安価となります。
リシン吹き付けとスタッコ仕上げ、吹き付けタイル仕上げにかかるそれぞれの費用相場をわかりやすく一覧表にまとめました。
塗装方法 | 費用相場 (/㎡) |
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リシン吹き付け | 1,000円 |
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スタッコ仕上げ | 3,000円 |
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吹き付けタイル仕上げ | 2,000~2,500円 |
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リシン吹き付けの耐用年数
リシン吹き付けの耐用年数は8年ほどです。
外壁塗装の中では耐用年数が短くなってしまいますが、塗膜が薄いためひび割れしやすいこと、表面に汚れが付きやすいことが原因です。
リシン吹き付けの工程
リシン吹き付けの工程は、以下のような流れになります。
1.高圧洗浄
2.下地補修
3.養生
4.吹き付け
塗料が下地と密着しやすいよう、外壁を高圧洗浄しカビなどの汚れを除去します。
下地にヒビなどの傷があれば、シーリング材を充填し補修します。
シーリング材とは、隙間を埋めるための粘性のある充填材です。
高圧洗浄と下地補修は、塗料の耐用年数を長くするだけでなく、住宅劣化を防ぐためにも大切な作業となります。
下地補修が終われば、塗装しない箇所を養生し吹き付けを行っていきます。
吹き付け塗装も、一般的な外壁塗装と同じく「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程です。
リシン吹き付けの塗装について
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リシン吹き付けのメンテナンス方法
リシン吹き付けのメンテナンス方法は、以下の3つの場合によって異なります。
・クラック(ひび割れ)の場合
・チョーキングの場合
・カビなどの汚れの場合
それぞれのメンテナンス方法を、具体的に解説していきます。
クラック(ひび割れ)の場合
クラック(ひび割れ)ができた場合、傷口の断面がU字になるよう専用機械でカットし、シーリング材を充填して補修します。
ただし、クラックができたら経年劣化が進んでいるということなので、塗装のし直しも同時に行うようにします。
チョーキングの場合
手で触ると白い粉が付着するチョーキングが発生した場合、塗料の耐久性が落ちているという証拠なので、塗装をし直す必要があります。
ひび割れなどの傷の補修が必要ない分、塗装はすぐに行えます。
カビなどの汚れの場合
カビなどの汚れが目立ってきた場合、ブラシでこすって水で洗い流すか、高圧洗浄機を使って掃除します。
洗剤は中性洗剤を使うようにし、また、リシン吹き付けは衝撃によって骨材が剥がれ落ちやすいため強い力でこすらないようにします。
リシン以外の吹き付け塗装方法
リシン以外の吹き付け塗装方法は、以下の2つがあります。
・スタッコ仕上げ
・吹き付けタイル仕上げ
それぞれの塗装方法や特徴などを、詳しく解説していきます。
スタッコ仕上げ
スタッコ仕上げは、セメントに塗料と骨材を混ぜてスプレーガンで吹き付けます。
デコボコとした表面になりますが、リシン仕上げよりも模様が大きく、手触りも滑らかです。
また、塗膜も厚めなので耐用年数が10年とリシン仕上げよりも少し長くなります。
<メリット>
・重厚感がある外壁に仕上がる
・耐用年数が10年
<デメリット>
・デコボコとした表面の隙間に汚れが溜まりやすい
吹き付けタイル仕上げ
吹き付けタイル仕上げでは、樹脂に骨材を混ぜて吹き付けます。
吹き付けタイル仕上げの工程はリシン吹き付けやスタッコ仕上げとは異なり、「下塗り」「主材1~2回」「中塗り」「上塗り」と多くなります。
主材の吹き付けは、吹き付けタイル仕上げの模様を出すために必要な工程です。
下塗りをした後、スプレーガンで主材を吹き付け、その上から上塗りします。
主材の自然なデコボコ感を残したり、上塗り後コテなどを使って模様をつけたりします。
コテで押さえた「ヘッド押え模様」や膨らみのある「ゆず肌状模様」など様々な模様を施せることも、吹き付けタイル仕上げの特徴の一つです。
<メリット>
・表面が滑らかなので汚れがつきにくい
<デメリット>
・耐用年数が上塗り材に左右される
リシン吹き付けの塗装について
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リシン吹き付けをする際のポイント
リシン吹き付けをする際に覚えておきたいポイントは、以下の2つです。
・適切な下地材を選ぶ
・弾性リシンを使う
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
適切な下地材を選ぶ
リシン吹き付けでは、適切な下地材を選び、外壁の下地が塗料を吸収することを防がなければなりません。
外壁塗装では、下地が塗料を吸収しないよう「シーラー」や「フィラー」といった下地材を塗って上塗りを行います。
下地のひび割れやデコボコとした表面を埋めたい場合には、弾性のあるフィラーを使うことをおすすめします。
下地と塗料の密着性が強くし耐用年数を長くするためにも、適切な下地材を選ぶようにしましょう。
弾性リシンを使う
リシン吹き付けのデメリットである外壁のひび割れを極力抑えられる、近年開発された弾性リシンを使うという手もあります。
弾性リシンは外壁の割れに追従し、ひび割れしにくいという特徴があります。
弾性リシンの塗装費用は1平方メートルあたり1,500円ほどなので、一般のリシン吹き付けよりかは高くなりますが、耐用年数が2年ほど長いです。
リシン吹き付けは定期的にメンテナンスして住宅劣化を防ごう!
ここまでの内容についてまとめておきます。
リシン吹き付けとは? |
「リシン吹き付け」とは、モルタルの外壁塗装の仕上げ法の1種です。 上塗り材に小さな石などを混ぜてスプレーガンで吹き付ける方法で、細かい凸凹のある外壁に仕上がるのが特徴です。 リシン吹き付けのメリット・デメリットはこちら。 |
リシン吹き付けにかかる費用相場・耐用年数は? |
リシン吹き付けの費用相場は、1,000円/㎡ほどです。また、耐用年数は8年ほどと言われています。 詳しくはこちら。 |
リシン吹き付け以外の塗装方法はある? |
モルタル外壁の吹き付け塗装の方法には、リシン吹き付けの他に「スタッコ仕上げ」や「吹き付けタイル仕上げ」があります。 それぞれにメリット・デメリットがありますので、最適なものを選びましょう。 |
リシン吹き付けは性質上、クラック(ひび割れ)が起こりやすく、汚れも付きやすいです。
しかし、定期的にメンテナンスすることで耐用年数を長くし、住宅劣化を防げます。
定期的に傷や汚れがないかをチェックし、大切な住宅を雨漏りや腐食から守りましょう。