「アスファルトシングルを塗装するメリットやデメリットが知りたい」「アスファルトシングルを塗装するタイミングやかかる費用相場が知りたい」アスファルトシングルの塗装をお考えの方の中には、このようにお悩みの場合もあるでしょう。屋根は紫外線や雨風に一番さらされる場所なので、定期的に塗装や補修などのメンテナンスが必要となります。アスファルトシングルの塗装やメンテナンス方法について知っておくことで、屋根の耐用年数を延ばして、劣化から住宅を守れるでしょう。
アスファルトシングルとは?
アスファルトシングルとは、ガラス繊維基材にアスファルトを配合して石粒をコーティングしたシート状の屋根材で、耐用年数は10~30年ほどです。
主にアメリカやカナダで使用されている屋根材になります。
軽量で価格も安く、施工しやすいため最近は日本でも人気です。
アスファルトシングルのメリットとデメリット
アスファルトシングルには、メリットとデメリットがそれぞれあります。
メリットとデメリットを詳しく解説していきましょう。
アスファルトシングルのメリット
アスファルトシングルには、以下の3つのメリットがあります。
● 豊富なカラーとデザインが楽しめる
● 耐震性が高い
● 加工しやすい
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
豊富なカラーとデザインが楽しめる
アスファルトシングルにコーティングされている石粒にはさまざまなカラーバリエーションがあるため、お好みの色やデザインが楽しめます。
屋根材にこだわりたいという方におすすめです。
耐震性が高い
アスファルトシングルは軽量な屋根材なので、住宅に負担を与えず、地震に強いです。
地震が多い日本の住宅向きの屋根材といえます。
加工しやすい
アスファルトシングルは、
軽くて柔らかいシート状の素材なので、
加工しやすいです。
複雑な屋根の形状にも施工しやすいでしょう。
アスファルトシングルのデメリット
一方で、アスファルトシングルには以下の3つのデメリットがあります。
● 小さな石が落ちてくる
● 強風に弱い
● カビが生えやすい
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
小さな石が落ちてくる
アスファルトシングルの表面には小さな石がコーティングされており、経年劣化によって落ちてくることがあります。
アスファルトシングルの小さな石が落下してきたら、劣化のサインです。
劣化による雨漏りを防ぐだけでなく、外観をきれいに保つためにも、定期的に塗装してメンテナンスするようにしましょう。
強風に弱い
アスファルトシングルは軽量なので、強風によって飛ばされたり、剥がれたりする可能性が高いです。
定期的にメンテナンスして、破損箇所がないかチェックしましょう。
カビが生えやすい
アスファルトシングルは湿気に弱いため、カビが生えやすくなります。
カビを放置しているとアスファルトシングルの劣化が進んで、雨漏りの原因になったり、見た目が悪くなったりする可能性が高いです。
カビが発生したら屋根を洗浄して、色が落ちている箇所は塗装しましょう。
アスファルトシングルのメリットとデメリットを表にまとめましたので、ぜひ確認してみてください。
メリット | デメリット |
---|
・豊富なカラーバリエーションとデザインが楽しめる ・耐震性が高いため安心 ・複雑な屋根でも施工しやすい | ・コーティングされている小石が落ちてくる ・軽いため強風で飛ばされる可能性がある ・湿気に弱くカビが生えやすい |
メリットだけでなくデメリットも確認して、ご自宅の屋根に施工するのかを決めましょう。
アスファルトシングルの施工について
\地元の業者に相談したい/
アスファルトシングル屋根がおすすめな方
屋根材について以下のように考えている方には、アスファルトシングルがおすすめです。
● 豊富なバリエーションから選びたい
● 屋根の形状が一般的ではない
● 住宅の耐震性に不安がある
それぞれの具体的な内容を解説します。
ご自身に当てはまるか、チェックしてみてください。
豊富なバリエーションの中から屋根を選びたい
アスファルトシングルはカラーバリエーションが豊富なので、お好みのカラー・デザインの屋根をお探しの方におすすめです。
ほかの住宅の屋根とデザインが被りたくない、という方にも向いています。
お好みのデザインがあるか、施工を依頼する業者によく相談して、お気に入りの素材を見つけましょう。
屋根の形状が一般的ではない
屋根の形状が一般的な三角屋根ではなく、複雑な場合は施工しやすいアスファルトシングルがおすすめです。
例えば、何面もの屋根で形成されている場合は、新規の屋根材の施工が難しいでしょう。
しかし、加工しやすいアスファルトシングルはさまざまな形状の屋根に施工可能なので、安心して選べる素材となります。
住宅の耐震性に不安がある
新しい屋根を施工する際に、
住宅の耐震性に対して不安がある方は、軽量なアスファルトシングルを選択肢に入れるのもよいでしょう。
アスファルトシングルの重さは製品によって異なりますが、1㎡あたり9~13.5㎏ほどです。
瓦屋根のおよそ5分の1という軽量なタイプなので、耐震性を重視されている方に向いている素材といえるでしょう。
アスファルトシングルを塗装するタイミング
アスファルトシングルを塗装するタイミングは、主に以下の3つの症状が出たときです。
● 塗膜の剥がれ
● チョーキング
● コケやカビ
以下にて、それぞれの症状は具体的にどのような状態かを説明します。
塗膜の剥がれ
経年劣化により、アスファルトシングルの塗膜が剥がれてしまうことがあります。
塗膜が剥がれてしまうと、破損箇所が劣化して雨漏りを起こす可能性があるため、早めに塗装するようにしましょう。
チョーキング
チョーキングとは、塗料の顔料が白い粉状になって浮き出てくる状態のことです。
チョーキングも塗料の経年劣化が原因で起きるため、屋根材に触って手に白い粉が付着する場合は、早めに塗装を検討しましょう。
コケやカビ
アスファルトシングルにコケやカビが発生したら、まずは洗浄して、色落ちがある箇所は塗装し直すことが多いです。
ただし、アスファルトシングルは軽量で飛ばされやすいため、高圧洗浄する際は破損させないように注意しておきましょう。
アスファルトシングルの施工について
\地元の業者に相談したい!/
アスファルトシングルは10年を目処に定期点検を行う
屋根の美観や寿命を維持するためにも、アスファルトシングル屋根は10年に一度定期点検を行うとよいでしょう。
アスファルトシングルの耐久性は長くて30年ほどあります。
しかし、風雨や雪などに長い間さらされる屋根材は、基本的には、定期的に点検してメンテナンスをしなければなりません。
メンテナンスを行うことで、耐久性を維持できるのです。
点検時には、屋根材の剥がれはないか、色あせは起きていないかなどを目視でチェックします。
また、目視で判断できない箇所は直接屋根にのぼって点検することが多いです。
ただし、高所作業は転落の恐れがあるため、屋根にのぼっての点検・メンテナンスは専門業者に依頼するようにしましょう。
破損や不具合が発生していなければ、屋根材は10年に一度を目安に点検を行うようにして、素材の寿命を維持するのがおすすめです。
アスファルトシングルの塗装手順
アスファルトシングルの塗装手順は、一般的に以下のような流れです。
● 高圧洗浄
● 下地処理
● 下塗り
● 上塗り(2回)
● 縁切り
それぞれの手順について、具体的にどのような作業を行うか解説していきます。
高圧洗浄
アスファルトシングルに付着したコケや汚れを、高圧洗浄機を使って洗い流します。
このとき、アスファルトシングルを破損させないように注意が必要です。
下地処理
アスファルトシングルに破損箇所がないかチェックして、必要ならば補修をを行います。
下地処理をきちんと行っていないと、塗装後に補修が必要になることも多く、工事費用がさらにかかってしまう可能性もあるでしょう。
丁寧な下地処理が、塗装後の状態の良し悪しにも大きくかかわります。
下塗り
アスファルトシングル用の下地材を塗っていきます。
下地材を塗ることで、上塗りで塗料と屋根材が密着して、色ムラもなくきれいに仕上がるでしょう。
上塗り(2回)
下塗りが乾燥したら、上塗りを2回行っていきます。
アスファルトシングルの塗装では、基本的には水性の塗料を使用しましょう。
油性の塗料を使うと、屋根材のアスファルトが溶け出すブリード現象が起きてしまう可能性があります。
縁切り
アスファルトシングルは屋根材を重ねて設置していくため、繋ぎ目に塗料が入り込むことを防ぐ「縁切り(えんぎり)」を行う必要があります。
縁切りとは、アスファルトシングルの繋ぎ目にできた塗膜をヘラやカッターを使って切っていく作業です。
縁切りをすることで、繋ぎ目にできた塗膜に雨水が溜まらないようにします。
アスファルトシングルの塗装にかかる費用相場
アスファルトシングルの塗装にかかる費用相場は、1㎡あたり3,000円~5,700円ほどです。
塗装費用は使用する塗料、業者によって異なります。
30坪の一般的な戸建て住宅の場合、相場は30~56万円程度です。
また、アスファルトシングルの塗装には、足場の設置や高圧洗浄などの施工費用がかかります。
アスファルトシングルの塗装にかかる費用の内訳例を、一覧表にしてまとめました。
塗装工程 | 費用相場 (/㎡) |
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足場の設置 | 700~1,000円 |
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高圧洗浄 | 200円 |
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下地調整(ケレン作業) | 300~700円 |
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縁切り | 350~500円 |
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ケレンとは、鉄製の屋根を研磨して、塗料の密着性を上げるための作業です。
ケレン作業が丁寧に行われていないと塗膜が剥がれやすくなるため、欠かせないステップとなります。
アスファルトシングルの施工について
\地元の業者に相談したい!/
アスファルトシングルの塗装費用を抑えるためのポイント
アスファルトシングルの塗装費用を抑えるためのポイントは、以下の4つです。
● 価格の低い塗料タイプを選ぶ
● 相見積もりをして費用を比較する
● 自社施工を行う業者に依頼する
● 外壁塗装と一緒に施工する
それぞれのポイントの内容を詳しく解説します。
価格の低い塗料タイプを選ぶ
塗料はタイプによって価格が異なるため、
安いものを選ぶと施工費用が抑えられるでしょう。
ただし、安いタイプはそのぶん耐用年数も短いため、将来的にかかる合計の塗装費用は高いタイプの方が安くなる場合があります。
安いアクリル系の塗料は、数年で屋根を塗装し直す、または住宅を取り壊す場合などの際に使用するとよいでしょう。
相見積もりをして費用を比較する
相見積もりをして、複数の業者の塗装費用を比較すると、安い会社を探せます。
また、費用相場と比較して詐欺を見つけやすくできる点も、相見積もりを行うメリットです。
ただし、工事費用が相場よりもかなり安い場合、必要な工程を踏まなかったり、依頼した塗料よりも安いタイプを使用されたりする可能性があるため、費用が安い業者にも注意するようにしてください。
見積書の内容をよく確認して、手抜き工事をされないかチェックしておきましょう。
自社施工を行う業者に依頼する
塗装工事を
自社施工する業者を選んだ方が、
中間マージンがかからず費用を抑えられるでしょう。
大手のハウスメーカーや工務店は下請けに依頼するため、基本的に中間マージンが発生してしまいます。
少しでも費用を抑えるためには、自社施工の業者に依頼しましょう。
外壁塗装と一緒に施工する
初期費用は高くなりますが、外壁塗装も一緒に行うと足場の設置費用や人件費が抑えられる可能性があります。
屋根も外壁も、塗装工事を行う際には一般的に足場の設置が必要です。
そのため、工事を二手に分けるとそれぞれに足場代がかかってしまうでしょう。
また、屋根と外壁の塗装作業を同じ工事内容に含めておけば、業者側も職人の予定を組みやすく、一気に施工できるため人件費が抑えられる傾向があります。
このように、屋根と外壁それぞれの塗装で発生する同じ作業内容は、工事をまとめて行うことで費用を抑えられることが多いです。
アスファルトシングルの塗装以外のメンテナンス方法
塗装では補修できない状態、または屋根の下地まで劣化している場合は、以下のようなメンテナンスを行う必要があります。
● 葺き替え
● カバー工法
それぞれのメンテナンス方法について、詳しく解説していきます。
葺き替え
下地まで劣化している場合は、屋根の全面を新しくする「葺き替え」を行います。
葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去して、新しい屋根材を設置する方法です。
下地まで劣化していなくても、アスファルトシングルの耐用年数である10~30年が経過する前には葺き替えを検討しましょう。
アスファルトシングルの葺き替えにかかる費用相場は、1㎡あたり8,000~12,000円ほどです。
カバー工法
下地が劣化していない場合は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を設置する「カバー工法」を行います。
アスファルトシングルのカバー工法にかかる費用相場は、1㎡あたり7,000~10,000円ほどです。
カバー工法の場合は既存の屋根材の撤去が必要ないため、葺き替えよりも費用が安く抑えられます。
アスファルトシングルは定期的に塗装して耐用年数を延ばそう!
アスファルトシングルは、扱いやすく価格も手頃なコスパのいい屋根材です。
しかし、経年劣化によって塗膜が剥がれたり、コケやカビが生えやすかったりします。
耐用年数を延ばすためにも、定期的に塗装してメンテナンスしましょう。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
アスファルトシングルを使用するメリットを教えてください。 |
「色やデザインの種類が多い」「加工がしやすい」といったことが挙げられます。 詳しくは、こちら。 |
アスファルトシングルを使用するデメリットはありますか? |
「小さな石が落下してくることがある」「カビが生えてきやすい」といったことがデメリットです。 詳しくは、こちら。 |
アスファルトシングルを塗装するタイミングについて教えてください。 |
「塗膜が剥がれている」「チョーキングが発生している」といった場合、塗装を検討したほうがよいでしょう。 詳しくは、こちら。 |