「屋根の修理はいつ行えばいいの?」「屋根修理の費用相場が知りたい」このようにお考えの方も多いでしょう。屋根が破損すると住宅にダメージを与えることになるため、適したタイミングで修理をすることが大切です。この記事では、屋根修理に関する以下の内容をお伝えします。また、屋根の修理費用をお得にするための、火災保険や補助金に関する知っておきたい情報も解説しているので、ぜひ最後までご覧になってみてください。
屋根修理を検討したいタイミング
屋根の修理を検討するべきタイミングは、主に以下の通りです。
● 屋根材の耐用年数が近付いたとき
● 屋根に劣化症状が表れたとき
屋根の耐用年数が過ぎたり劣化症状を放置したりすると、雨漏りやカビが発生するなどして、建物全体に影響を与える可能性があります。
屋根は雨や風から建物を守る役割があるため、適切なタイミングで修理やメンテナンスを行う必要があります。
屋根修理のタイミングについて、さらに詳しく解説していきましょう。
屋根材の耐用年数が近付いたら
屋根材の耐用年数が近くなったら、屋根の修理を検討しましょう。
耐用年数が近付いた屋根は、防水機能の低下やサビの発生などが起こりやすくなります。
耐用年数は屋根材によって異なり、10~50年程度と幅広いです。
屋根材の主な種類とそれぞれの耐用年数を以下の表にまとめました。
屋根材の種類 | 耐用年数の目安 |
---|
トタン | 10〜20年 |
---|
天然スレート | 20年ほど |
---|
化粧スレート | 20〜25年 |
---|
アスファルトシングル | 20〜30年 |
---|
ガルバリウム鋼板 | 30年ほど |
---|
粘土瓦 | 50年ほど |
---|
ご自宅の屋根の種類を確認して、前回の修理から何年経っているか確かめてみてください。
屋根に劣化症状が表れたら
屋根に劣化症状が表れたときも、修理を検討したいタイミングです。
屋根の劣化症状として、以下のようなものが挙げられます。
● 色褪せ
● 割れ
● ズレ
● 剥がれ
● 浮き
屋根の色褪せは、塗装面の本来の色がくすんだり薄くなったりする症状になります。
建物の外観に古い印象を与えるため、屋根の色褪せは見た目によるデメリットが大きいです。
また、屋根材が割れたり剥がれたりすると、隙間から雨水が浸入する原因になります。
屋根の劣化症状は自分で確認するのは難しいため、業者に依頼してチェックしてみると良いでしょう。
屋根の部分修理・全体修理の費用相場
屋根の修理には部分修理と全体修理があり、どちらの方法で施工するかで修理費用が大きく変わります。
なお、屋根材の種類や屋根面積によっても費用は変わるため、おおよその目安としてご覧ください。
費用の詳しい内訳は、業者に見積もりを依頼して確認しましょう。
部分修理の相場は10~60万円程度
屋根の部分修理にかかる費用は、10~60万円程度が相場です。
部分修理では主に、欠けた瓦のみ入れ替えたり、屋根材は変えずに塗料を塗り直したりする作業を行います。
部分修理の中でも費用が高くなりやすいのは、塗装工事です。
塗装工事の費用目安は、30坪の住宅なら約60万円になります。
一方で、屋根材の一部を取り換えたりひび割れを修繕したりといった部分工事であれば、費用は10~30万円程度で済むでしょう。
全体修理の相場は、いくらくらい?
耐用年数が近づいた屋根は全体的な修理が必要となるでしょう。
全体的な修理は基本的に、部分修理よりも費用が高くなります。
全体修理の方法は、主に重ね葺き工事と葺き替え工事の2種類です。
2種類の工事は施工内容が異なり、手間と時間のかかる葺き替え工事の方が費用は高い傾向があります。
今回は例として、スレート屋根の全体修理を行う場合の費用を記載していますので、ぜひ確認してみてください。
【スレート屋根の全体修理を行う場合の費用相場】
● 重ね葺き工事(カバー工法):80~180万円前後
● 葺き替え工事:100〜250万円程度
屋根修理の主な工事方法3つ
上記で紹介した、屋根修理の3つの工事方法について解説します。
● 葺き替え工事
● 重ね葺き工事(カバー工法)
● 塗装工事
どの工事方法を行うかは、屋根の劣化具合や建物の状況によって異なります。
それぞれの工事方法の内容を詳しく説明するので、ぜひチェックしてみてください。
葺き替え工事
葺き替え工事は既存の屋根をすべて取り外して、新しい屋根材に取り替える工事です。
下地ごと新しくするため、新築同様のきれいな屋根に仕上がります。
葺き替え工事の施工期間は短ければ8日程度で、長ければおよそ2週間かかるでしょう。
雨漏りしていたり、劣化が激しかったりする屋根などは、葺き替え工事で修理されるケースが多いです。
重ね葺き工事(カバー工法)
重ね葺き工事は、既存の屋根に新しい屋根材を重ねていく修理方法で、別名、カバー工法とも呼ばれます。
既存の屋根材の撤去が不要なため、下地から新しくする葺き替え工事に比べると、基本的に手間と時間を省くことが可能です。
重ね葺き工事の期間は、5~8日程度が目安になります。
ただし、重ね葺き工事は屋根の上に新たな屋根材を重ねるため、建物全体が重くなり、耐震性が若干弱まるのがデメリットです。
そのため、耐震性の低い古い住宅は、カバー工法以外の修理方法となることも考えられます。
塗装工事
塗装工事は、現在の屋根に塗料を塗り直して修理する方法で、以下の作業も一緒に行うことが多いです。
● 塗料の塗り直し
● サビやコケの洗浄
● シーリング補修
塗装工事は数回にわたり塗料を塗って乾かす作業があるため、ほかの屋根修理の工法よりも施工期間が長めとなります。
塗装工事にかかる期間は4~10日程度です。
屋根材の色褪せや防水機能の低下など、比較的軽めの劣化であれば塗装のみで修理できることもあります。
屋根の修理費用をお得にする方法は?
屋根の修理費用を抑えるためには、火災保険や補助金を活用するのも手です。
ただし、すべての屋根修理が火災保険や補助金の対象となるわけではありません。
屋根修理に使える可能性のある火災保険と補助金ついて、それぞれ解説していきましょう。
修理費用は火災保険で安くなる可能性がある
風災や雪災などで受けた屋根被害を修理する場合は、火災保険が適用になることがあります。
屋根修理に関する火災保険の支払規定は、保険会社によって異なるので、気を付けましょう。
一般的には、修理費用が20万円以上で、かつ屋根が被害を受けてから3年以内の申請を求められることが多いです。
火災保険を申請する際は、まず修理業者へ屋根の被害状況をチェックしてもらい、見積もりを取りましょう。
保険会社へ必要書類を提出した後は、現地調査を経て保険適用かどうか判断されます。
修理内容によっては補助金が出る場合もある
屋根の修理費用を抑えるために、国や自治体の補助金制度を利用するのもおすすめです。
国の補助金制度には、長期優良住宅化リフォーム推進事業があります。
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金を受給するには、建物の省エネルギー化や耐震性アップなどにつながるリフォームをしなければいけません。
屋根の修理以外に住宅全体のエコリフォームを検討している場合は、補助金の対象になるか確かめてみましょう。
また、国の制度以外にも、各自治体で住宅リフォームに関する補助金を実施している場合があります。
補助金制度は基本的に先着順で、該当年度の予算上限に達し次第締め切られることが多いです。
屋根修理が対象の補助金があるかどうか、住んでいる自治体の公式サイトを早めに調べてみましょう。
屋根修理はまず業者へ相談してみよう
耐用年数が近づいたり劣化が見られたりする屋根は、修理する時期を迎えています。
屋根の修理を怠ると雨漏りが起こる原因となり、建物全体に被害が及ぶことも考えられるでしょう。
屋根修理にかかる費用相場は、工事内容によっても変わるため、10万円~270万円程度と非常に幅広いです。
工事方法も屋根や建物の状態で異なるため、まずは屋根修理について業者へ問い合わせてみましょう。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
屋根材によって、耐用年数は異なりますか? |
耐用年数は屋根材によって異なり、差が大きいと40年程度異なることもあります。 詳しくは、こちら。 |
屋根修理を検討するタイミングは、いつですか? |
「屋根に劣化症状が出てきたとき」などです。 劣化症状は色褪せや剥がれ、ズレなどさまざまです。 詳しくは、こちら。 |
屋根の修理費用を抑える方法はありますか? |
火災保険などを活用するという方法があります。 ただ、全ての屋根修理に保険が利用できるわけではありません。 使用できる可能性のある火災保険などは、こちら。 |