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屋根カバー工法は屋根のリフォームでよく採用される工法のひとつです。比較的簡単に施工できますが、屋根カバー工法をすべきでない場合もあるため、本当に屋根カバー工法が適しているか見極める必要があります。本記事では屋根カバー工法がおすすめのケースやよくある失敗例、業者の選び方などを詳しく解説します。
屋根のリフォーム方法には主に屋根カバー工法・塗装・葺き替えがあります。
ここでは屋根カバー工法について詳しく解説します。
屋根カバー工法とは、既存の屋根は撤去せず、上からガルバリウム鋼板のような軽い屋根材を重ねるリフォーム方法です。
屋根が二重になり、断熱性や防音性が向上するため、「屋根の雨音がうるさい」「冬場は冷気が入り込んで寒い」などの悩みの改善を期待できるでしょう。
また、工程が少ないため工期を短縮でき、廃材がほとんど出ない分、葺き替えより簡単で費用も安い傾向があります。
屋根カバー工法を業者から提案された際は、提案内容が差し込み葺き工法になっていないか注意してください。
本来の屋根カバー工法では、新しい屋根材を施工する前に防水シートを張ります。
一方、差し込み葺き工法は既存の屋根材に鉄板を重ねるだけで、防水シートは張りません。
新しい防水シートを使わないため屋根の防水性がほとんど向上せず、せっかくリフォームをしても住宅の機能性があまり変わらないままとなってしまいます。
差し込み葺き工法は本来の屋根カバー工法とはまったく異なるものですが、屋根カバー工法と呼んでいる業者もいるため注意しましょう。
屋根カバー工法にかかる費用は次の表の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
新しい屋根材の施工 | 5,000〜11,000円/㎡ |
軒・棟板金など | 3,000~11,000円/㎡ |
下地の補修 | 1,500~2,500円/㎡ |
防水シート | 500~1,500円/㎡ |
足場設置 | 600~1,500円/㎡ |
工事管理費・諸経費など | 業者により異なる |
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工事管理費や諸経費は内訳や計算方法が業者により大きく異なるため、見積書で確認しましょう。
具体的な相場を調べるには、3社程度に見積もりを依頼し内容を比較するのがおすすめです。
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屋根カバー工法によるリフォームがおすすめのケースは、主に次の5つです。
屋根の表面が欠けている・割れているなど、屋根材のみの破損で下地材にダメージがない場合は、屋根カバー工法がおすすめです。
下地材が傷んでいなければ、屋根カバー工法でのリフォームで十分補修できるケースが多いでしょう。
下地から交換する葺き替え工法と比べて安く済む傾向があります。
苔やカビが繁殖している場合、下地材には問題がない場合が多いため、屋根カバー工法がおすすめです。
苔やカビをしっかり除去してから新しい屋根材を施工すれば、繁殖を抑え美観の維持や腐食の予防ができます。
新しい屋根材は、防水性が高く苔やカビの生えにくい金属の屋根材を選ぶとよいでしょう。
表面がザラザラしているものや凹凸が多いものは苔やカビが付着しやすいため気をつけてください。
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既存の屋根材にアスベストが含まれており、かつなるべくリフォーム費用を抑えたい場合は屋根カバー工法を検討しましょう。
アスベストを含む屋根材を撤去する際は、粉じん飛散防止や除去作業に特別な処理が必要なため、費用がかさみます。
予算に余裕がない場合はいったんアスベストの除去は先延ばしにし、屋根カバー工法による補修のみを実施するとよいでしょう。
ただし、下地が傷んだときや建て替えるときなど、いずれはアスベストの除去が必要な点に注意してください。
屋根の棟板金の釘が浮いている場合、屋根カバー工法で補修可能です。
棟板金は屋根の面と面が交わる部分にあり、雨水の侵入を防いでいます。
経年劣化により棟板金の釘が浮いてくると、隙間から雨漏りする恐れがあります。
棟板金自体を交換してもよいですが、屋根材自体にも劣化が見られる場合は屋根カバー工法を検討しましょう。
近い将来建て替えを検討しており、今後長く住み続ける予定がない場合は屋根カバー工法でのリフォームがよいでしょう。
屋根カバー工法では屋根内部の補修ができませんが、「建て替えまで持てばよい」という場合は屋根カバー工法で十分な可能性があります。
ただし、建て替えまでの間に再度屋根のリフォームをする可能性がある場合はおすすめしません。
屋根カバー工法のあとにリフォームすると、二重の屋根材を撤去しなければいけないため費用が高くなってしまいます。
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屋根カバー工法をおすすめしないケースは、主に次の3つです。
屋根から雨漏りしている場合、屋根カバー工法ではなく葺き替えを選びましょう。
雨漏りがある場合は下地が劣化しており、屋根内部が腐食している恐れがあります。
屋根カバー工法で雨漏りを一時的に解決できても、すでに傷んでいる部分から腐食が進んでいき、家の構造部分に大きな損害を与えてしまうかもしれません。
過去に雨漏りしたことがある場合も気づかないうちに内部が腐食している恐れがあるため、葺き替えを選んだほうがよいでしょう。
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屋根材がボロボロに劣化している場合は葺き替えでのリフォームが基本です。
屋根材が経年劣化によりひどく傷んでいると、新しい屋根材を被せた際に建物全体に大きな負荷がかかってしまいます。
屋根カバー工法で問題がないかどうかは業者の判断となるため、まずは現地調査をしてもらいましょう。
地震で大きく揺れる住宅は屋根カバー工法に向いていません。
屋根カバー工法を施工すると屋根が重くなるため、耐震性が低下する恐れがあります。
揺れに敏感な家族がいる場合も避けるのがおすすめです。
屋根カバー工法でよくある失敗は、主に次の6つです。
それぞれの失敗の原因と予防法を解説します。
屋根カバー工法を選択すると、災害がきっかけのリフォームでも火災保険の適用外になることがあります。
火災保険は火災だけでなく、台風や豪雨などの自然災害による被害の補償にも利用できます。
ただし、火災保険の適用範囲は基本的に「受けた損害をなおす」ことのみです。
屋根カバー工法は損傷している古い屋根材を残したまま施工するため、受けた損害をなおす工事には該当しません。
そのため、自然災害により屋根が破損した場合でも、屋根カバー工法では火災保険がおりないことがあります。
新しく重ねる屋根材によっては屋根カバー工法後に屋根の部分的な修理ができず、修理が大規模になってしまいます。
屋根カバー工法で使用する金属の屋根材の多くは、1枚1枚をがっちり固定して施工します。
施工後メンテナンスが必要になる場合は、屋根材を部分的に外すことができないため、修理費用が高額になるでしょう。
勾配の低い屋根に横葺きで屋根カバー工法を採用すると、施工後に雨漏りしやすくなることがあります。
横葺き屋根とは屋根材を水平方向に張っている屋根のことです。
屋根の傾きと同じ方向に屋根材を張る場合は縦葺き屋根といいます。
縦葺き屋根と比べると、横葺き屋根は雨漏りしやすい傾向があります。
とくに勾配が緩い場合は雨漏りのリスクが高まるため、2.5寸勾配以下の屋根は縦葺きで施工してもらいましょう。
屋根カバー工法の施工後は太陽光パネルが設置できないことがあります。
屋根材が二重になっていると太陽光パネルの固定が難しいためです。
現在太陽光パネルを設置している場合や、今後太陽光パネルを設置したい場合は、屋根カバー工法でも問題ないか業者によく確認しましょう。
屋根のリフォームと外壁塗装を別々に実施する場合、足場代や業者の交通費、諸経費などを2回払う必要があります。
屋根と外壁のリフォームを同時に依頼すれば足場代などを節約できるため、できるだけ合わせて依頼することがおすすめです。
屋根に経年劣化が見られるときは外壁もすでに傷んでいることが多いため、一緒に外壁塗装を検討しましょう。
カバー工法に詳しくない業者に依頼した場合、施工不良が起こることがあります。
屋根は雨漏りが起こりやすい部分のため、工事には豊富な専門知識と経験が必要です。
現場の状態を見て正しく施工できるかどうかは業者のスキルによります。
複数の業者のホームページを見たり、実際に見積もりを依頼したりして、どの業者がもっとも信頼できるか慎重に選定しましょう。
さっそく業者を探してみる
屋根カバー工法での失敗を避けるには、専門知識が豊富で丁寧に説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
具体的には次の4つを重視して業者を選びましょう。
屋根カバー工法を依頼するなら、板金工事会社を選ぶのがおすすめです。
板金工事会社とは、金属薄板の加工を中心に請け負う会社のことです。
金属の屋根材を張り付けるのも、多くの場合板金工事会社が担当しています。
板金工事会社なら十分な技術力や経験のある職人が在籍している可能性が高いため、まずは現地調査と見積もりを依頼するとよいでしょう。
会社の設立年数や施工実績をチェックし、施工経験の豊富な業者を選びましょう。
施工経験が豊富なほど技術力も高く信頼できる傾向があります。
ただし、ホームページに記載されている施工数などは数字をごまかせてしまいます。
SNSに載っている施工報告や、Googleマイビジネスに記載されている口コミなども見て、どのような経験や評価があるのかなるべく具体的に調べましょう。
飛び込み営業の中には悪質な業者もいるため、基本的に依頼しないよう気をつけましょう。
飛び込み営業の場合は「今すぐ修理しないと大変なことになる」と強引に契約をせまったり、相場よりも高い金額で契約させようとしたりする業者がいます。
すべての飛び込み営業が悪質なわけではありませんが、その場では契約を決めず、その業者のことをよく調べたうえで契約を考えましょう。
見積もりは1社だけでなく複数社に依頼し、それぞれの内容を比べてから契約先を決めましょう。
複数の見積もりを比べることで、費用相場や適切な工事内容を明らかにできます。
3社程度に見積もりを依頼し、ほかと比べて高すぎる・安すぎる、内訳がよくわからないなどがあれば詳細を問い合わせるか、候補から外しましょう。
屋根カバー工法はよく採用されるリフォームの方法のひとつで、下地材に問題がない場合や長く住み続ける予定がない場合などにおすすめです。
ただし、屋根から雨漏りしている場合や屋根材の劣化が激しい場合、地震で大きく揺れる場合などは業者とよく打ち合わせのうえ、本当に屋根カバー工法が適しているか確認しましょう。
屋根カバー工法では火災保険を適用できなかったり、太陽光パネルが設置できなくなったりといった失敗も起こりやすい点に注意したうえで、あなたに合ったリフォームを検討してみてください。
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