築年数が経過した住宅の外壁は汚れが気になってくるものです。汚れは外壁の塗膜を劣化させるので、放置せず早めに対処しましょう。しかし、外壁の汚れをどうやって落とせばいいのか分からないという方も多いでしょう。軽い汚れであればDIYで落とせる場合もありますが、中には業者に頼まないと落とせなかったり、外壁の塗り替えが必要になってしまう汚れもあるため、見極めが必要です。本記事では、外壁汚れの原因、落とし方や目立たないようにする方法、塗り替え時期の目安をご紹介します。
外壁汚れの原因
まずは、なぜ外壁が汚れるのか、その原因から解説します。
汚れる理由がわかれば、より対処しやすくなるでしょう。
そして、汚れの落とし方もご紹介します。
「そんなに頻繁に掃除していられない!」という方もいらっしゃるでしょうから、汚れを目立たなくする方法も説明します。
ではさっそく、解説していきましょう。
なぜ外壁は汚れるの?
さっそく、外壁が汚れる原因をご紹介します。
汚れによって、DIY清掃では落としにくいものがあります。
まずは、汚れの原因から把握しましょう。
汚れの原因 | 概要 |
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チリ・ホコリ | ・家全体がくすんできたような黒、グレー、茶色っぽい汚れ ・凹凸のある部分に引っかかって付着する ・黒っぽい外壁で目立つ |
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排気ガス | ・家全体がくすんできたような黒、グレー、茶色っぽい汚れ ・すすや油汚れ ・広い範囲に少しずつ付着していく ・白っぽい外壁で目立つ |
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カビ | ・黒っぽい汚れ ・日当りの悪い北面や、風通しの悪いところに繁殖 ・白っぽい外壁で目立つ |
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藻・コケ | ・緑色の汚れ ・ある程度光があり、湿気が多いところ ・山が近いエリア ・白っぽい外壁で目立つ |
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雨だれ | ・窓サッシや換気フードの下に伸びる黒っぽい筋汚れ ・外壁の汚れが雨で流され、落ちずに残ってしまったもの ・放置すると汚れが濃くなってこびりついてしまう ・白っぽい外壁で目立つ汚れ |
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サビ | ・白サビや赤サビ ・金属系サイディングや鉄製の建材の塗膜が劣化して金属が腐食しはじめた状態 ・赤サビは、他所にサビ汚れが移る ・塗り替えが必要 |
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塗料の変色 | ・長期間紫外線を浴び続けることで色あせる ・完全に塗膜が壊れるとチョーキング(白化)を起こす ・塗り替えが必要 |
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外壁の汚れは、軽ければDIYでも落とせます。
しかし、こびりついてしまうと一般家庭にないような洗剤や道具が必要になります。
サビやチョーキング(白化)の症状が出ると、塗り替えが必要です。
汚れが目立つが外壁の条件
外壁には汚れが目立つ色や、汚れやすい環境があります。
汚れの原因とあわせて、知っておきましょう。
外壁の特徴 | 主な汚れ方 |
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白色や黒色の外壁 | 汚れが目立つ |
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表面に凹凸がある外壁 | ホコリ汚れがたまりやすい |
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北向きで風通しが悪い | 藻・コケ・カビが生えやすい |
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山が近い | コケが付きやすい |
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交通量が多い道路沿い | 排気ガスで汚れやすい |
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上述の条件に当てはまる外壁は、そもそも汚れやすいと言えます。
定期的な汚れ落としだけでなく、汚れを付きにくくする工夫も必要です。
防汚性や防藻・防カビ性が付加された外壁用塗料がありますので、塗り替えの際はご検討ください。
外壁の汚れを放置するとどうなる?
さて、汚れている外壁をそのまま放置するとどうなるのでしょうか。
放置した結果、起こり得ることをあげてみましょう。
・見た目が悪くなる
・時間が経つと汚れが落ちにくくなる
・外壁の劣化を早める
・外壁が劣化すると雨漏りや構造を腐朽させる原因になる
まず、徐々に見た目が悪くなります。
時間が経つと汚れが落ちにくくなり、大掛かりな清掃が必要になります。
そのまま放置し続けると、外壁の表面の劣化を進めてしまいます。
劣化が進み撥水・防水機能が無くなると、雨水が建物内に侵入して構造材を腐朽させます。
構造材が腐朽すると、修繕に相当な費用がかかります。
適時外壁の汚れを落とすことで、家にかかるメンテナンス費用を押さえられるのです。
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外壁の汚れを落とす方法
続いて、外壁の清掃方法をご紹介しましょう。
外壁の清掃は、自分でやるか専門業者に頼むか、どちらかです。
それぞれ、どのように進めて行けばいいのか解説します。
自分(DIY)で掃除する
まずは、自分でやる外壁の清掃方法をご紹介します。
準備物は、以下のとおりです。
準備物 | 備考 |
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外壁用洗浄剤 | ・1,000~5,000円 ・ホコリ、排気ガス、カビ、藻、コケなどを取り除けるもの ・研磨成分が入ったものは塗膜を傷めるのでNG |
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カビ取り剤 | ・500~2,000円 ・頑固なカビを落とすのに便利 |
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柔らかいスポンジ | ・100~500円 ・硬いものは外壁を傷めるのでNG ・車の洗車用のスポンジがよい |
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歯ブラシ | ・100円前後 ・細かいところを洗うのに便利 |
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高所用ブラシ | ・2,000~8,000円 ・脚立は落下すると危険なので、使わない方がよい |
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ホース | ・1,000~3,000円 ・汚れや洗剤を落とすために水をかける |
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バケツ | ・300~1,000円 ・スポンジやブラシなどを洗うのに使う |
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ゴム手袋 | ・300~1,000円 ・手荒れ防止 |
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外壁の汚れ落としを自分でやるときは、以下の手順で進めます。
1.上から下へホースで壁に水をかけ、簡単に汚れを洗い流す
2.水で落ちなかった汚れをブラシやスポンジ、洗剤で洗う
3.最後に念入りにみずを流して洗う
ブラシやスポンジは、柔らかいものを選びましょう。
硬いもので強くこすると、外壁の表面にある塗膜を傷つけてしまいます。
最後の洗い流しは、念入りにおこないます。
洗剤が残っていると塗膜の劣化を早めることもあるので、注意してください。
スポンジやブラシで落ちないときは、家庭用の高圧洗浄機を使います。
家庭用は2万円前後から販売されているので、探してみてください。
高圧洗浄機は高圧で水を噴出し、外壁に付着した汚れを弾き飛ばすことができます。
しつこい汚れも落とせる便利な機械ですが、以下にご注意ください。
・音が出る(静音タイプもある)
・近隣に水が飛散しやすい
・窓や換気扇は養生してから洗浄したほうが安心
・塗膜を傷つけて外壁の劣化を早めることもある
・水圧が強く、当たったものを壊す恐れがある
水勢が強いゆえ汚れを落とせるのですが、同時に外壁表面を傷つけたり、窓や換気口から水が入り込むこともあります。
人に当たると危険ですので、取り扱いには十分ご注意ください。
プロに依頼する
DIYで落ちない汚れや、素人が掃除するには危険な高所の汚れは、プロに任せましょう。
足場や飛散防止ネットを設置して、隅々まで高圧洗浄してくれます。
ただし、足場代や職人の手間賃は安くありません。
業務用の高圧洗浄機は家庭用より強力で、塗膜を傷める可能性も高くなります。
ですからプロに頼む場合は、塗り替えの直前に高圧洗浄するのが一般的です。
なお、プロに高圧洗浄を頼んだ場合の相場は以下のとおりです。
・高圧洗浄 ⇒ 200~300円/㎡くらい
・足場設置 ⇒ 700~1,000円/㎡くらい
足場は外壁から少し離して設置するので、外壁面積より少し余分に必要です。
「足場+飛散防止ネット+高圧洗浄」の料金は、延べ床面積30坪の2階建て住宅でおおよそ20万~25万円が目安になります。
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外壁の汚れを目立たないようにする方法
外壁の汚れ落としは、簡単ではありません。
なかなか骨が折れる作業で、毎年1回やるペースでもかなり億劫に感じるでしょう。
汚れない外壁があればいいのですが、残念ながら完全防汚の外壁はありません。
汚れやすくて困ってる外壁を、魔法のようにきれいにする方法もありません。
ひとつオススメできるのは、塗り替えのタイミングで汚れに対応できる塗料を使うことです。
少しでも汚れを目立たなくしたい方は、ぜひ以下の2点を意識して塗料を選んでください。
・汚れに強い塗装に塗り替えることで改善する
・目立たない色を選ぶ
外壁用の塗料には、汚れを付きにくくする機能を持ったものやセルフクリーニング機能を持ったものがあります。
塗料のカタログや仕様書から、以下の文言を探してみてください。
機能 | カタログに掲載されている文言 |
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汚れが付きにくい機能 | ・防汚性 ・防藻性 ・防カビ性 |
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セルフクリーニング機能 | ・親水性 ・光触媒 |
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汚れが目立たない色を選ぶことも、大切です。
あなたのご自宅の周辺環境や、外壁の汚れ方に合わせて色を選ぶと良いでしょう。
参考例を挙げておきます。
汚れの状況 | 汚れが目立ちにくくなる色 |
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ホコリやチリの汚れが目立つ | オフホワイト系の色 |
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排気ガスによる汚れやカビ 雨垂れが目立つ | 黒っぽい色の外壁 |
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コケや藻が目立つ外壁 | 茶系や黒系のやや濃い色の外壁 |
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ただし、汚れが目立たなくなると弊害も出てきます。
汚れが気にならなくなると「まだ大丈夫」と安心してしまいがちです。
外壁の劣化や塗り替え時期のサインを見逃してしまうことにもつながるので、気を付けましょう。
まとめ:外壁の汚れの原因と落とし方
外壁汚れの原因は「ホコリ、排気ガス、カビ、コケ、雨垂れ、サビ」など多種多様です。
ひどくない汚れであれば、自分で落とすこともできます。
外壁の色によっては汚れが目立たなくなりますが、放置はおすすめしません。
汚れが徐々に外壁の表面(塗膜)を劣化させ、いずれ建物に雨水が染み込み始めます。
汚れが目立ち始めたら、できるだけ早く掃除して落としましょう。
雨漏りしたり建物に雨水が染み込んだりすると、構造が腐朽する原因になります。
汚れを落としてもすぐにまた汚れるようになら、外壁面の塗膜が劣化したサインです。
近いうちに塗り替えすべき時期ですので、外壁塗装業者に相談しましょう。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
外壁汚れの原因は何ですか? |
チリ・ホコリ、排気ガス、カビ、藻・コケ、雨だれ、サビ、塗装の変色が原因として挙げられます。 |
外壁の汚れをプロに依頼して落としてもらう場合、費用はどのくらいかかりますか? |
高圧洗浄が200~300円/㎡くらい、足場設置が700~1,000円/㎡くらいです。 |
外壁の汚れを目立たないようにする方法を教えてください。 |
汚れに強い塗装に塗り替えることで改善する、目立たない色の塗料を選ぶといった方法が挙げられます。 |
■この記事の編集者
伊東 由人
リフォーム領域についての調査・分析などを行い、コンテンツの企画や品質管理、ライティングを行う。
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