「屋根をメンテナンスするための工事には、どのようなものがあるのか知りたい」「屋根工事はどのようなタイミングで行うべきだろう」屋根の劣化が気になってくると、このようにお考えになる方も多いことでしょう。屋根の状態は下からではわかりにくいため、どのような工事を行うべきか、いつすべきか悩んでしまいます。この記事では、屋根工事について以下のような情報を解説していきます。
屋根工事について基礎知識を持ち、住宅を守るためのメンテナンスがきちんとできるようになりましょう。
屋根工事には8つの種類がある
屋根工事の種類には、以下の8つがあります。
● 屋根の葺き替え
● 屋根の葺き直し
● 屋根の重ね葺き(カバー工法)
● 屋根塗装
● 屋根材の修繕
● 棟板金の修理や交換
● 漆喰の修繕
● 雨樋の修理と交換
それぞれの工事の内容について、具体的にどのように行うか解説していきます。
屋根の葺き替え
葺き替えとは、既存の屋根を外して新しい屋根材を設置することです。
既存の屋根の撤去に費用と時間がかかりますが、その分耐久性は上がります。
屋根の耐久年数を超えていたり、破損がひどかったりする場合には、葺き替え工事がおすすめです。
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屋根の葺き直し
葺き直しとは、瓦屋根をメンテナンスするための工事のことです。
まずは既存の瓦を取り外して、下地をメンテナンスします。
その後、取り外した瓦を葺き直して工事は完了です。
葺き直しは新しい屋根材の購入が不要なので、工事費用を抑えつつ、屋根を補強できます。
しかし、瓦が激しく破損している場合には葺き直しはできません。
屋根の重ね葺き(カバー工法)
重ね葺きは、既存の屋根をカバーするように、新しい屋根材を上から設置する工事のことです。
既存の屋根材の撤去や処理の必要がないため、工事費用を抑えられ、また工期も短くて済みます。
ただし、下地のメンテナンスができないため、近い将来に屋根工事が再度必要となります。
>>スレート屋根のカバー工法の詳細はこちらから!>>屋根の重ね葺きは、どんな家に最適?費用なども詳しく説明!
屋根塗装
屋根の塗膜に劣化が生じると、雨漏りや内部の腐食を引き起こす可能性があるため、塗装を行います。
塗装すると、屋根の防水性が向上するため、雨漏りから住宅を守れるでしょう。
>>屋根塗装工事の費用相場はこちらでチェック!>>メンテナンス目的にスレート屋根を塗装したい!効果や費用は?
屋根材の修繕
屋根材が割れたり、ずれたりした場合には修繕工事が必要です。
屋根材の破損は雨漏りの原因になるほか、破片が落下して事故を起こす危険性もあります。
屋根材が破損した際は、早めに修繕するようにしましょう。
棟板金の修理や交換
棟板金がずれたり浮いたりした場合には、修理や交換が必要です。
棟板金とは、金属屋根のてっぺんに設置する板金のことで、雨の侵入を防ぐ役割があります。
棟板金と屋根を留める釘が劣化することで、ずれや浮きが生じます。
雨漏りを防ぐためにも、棟板金がずれたり浮いたりした際には、早めに補修するようにしましょう。
漆喰の修繕
漆喰が劣化した場合には、雨漏りを防ぐために早めの修繕が必要です。
漆喰とは、瓦と屋根の頂上部にある棟の隙間を埋めるための、白い外装材のことです。
経年劣化により、漆喰が剥がれ落ちて、瓦と屋根の棟の間に隙間ができてしまうことがあります。
漆喰が剥がれると、雨水が住宅内に入って腐食する恐れがあります。
古い漆喰を取り除き、下地を調整して新たに塗り直せば修繕完了です。
雨樋の修理と交換
雨樋が劣化したり破損したりした場合には、修理または交換が必要です。
雨樋は、屋根に降った雨水をまとめて地上に流れ落ちるように設置した建材のことです。
雨樋が破損すると、排水がうまくできず、雨漏りや外壁の劣化などにつながります。
雨樋の破損原因には、ゴミの詰まりや台風、積雪などの災害が挙げられます。
屋根工事のタイミング
屋根工事を行うタイミングの目安を知る要素は、主に以下の4つです。
● 耐久年数
● 雨漏り
● 塗装の剥がれ
● 建築してから10年ごと
それぞれの要素について、具体的にどのような状態かを解説していきます。
耐久年数
屋根の耐久年数を超える前に、補修工事をしてメンテナンスしましょう。
屋根材別の耐久年数を、わかりやすく一覧表にしてまとめました。
屋根材 |
耐久年数 |
粘土瓦 |
50年以上 |
セメント瓦 |
30年ほど |
化粧スレート |
25~30年 |
ガルバリウム |
30年ほど |
アスファルトシングル |
20~30年 |
トタン |
30年ほど |
雨漏り
屋根からの雨漏りが発生している場合、住宅の内部が腐食しないよう、補修工事を行わなければなりません。
雨漏りの場合、塗装では補修できないため、葺き替えや重ね葺きを行うこともあります。
>>雨漏りの修理で失敗しないようにするには?費用なども解説します!
塗装の剥がれ
屋根の塗装が剥がれている場合、補修が必要です。
塗装の剥がれを放置していると、カビや雨漏りが発生する原因となります。
再塗装するか、剥がれがひどい場合には屋根の葺き替えや重ね葺きを検討しなければなりません。
建築してから10年ごと
屋根の塗装の耐用年数はおよそ10年が目安となるため、定期的なメンテナンスが必要です。
また、トタン屋根の耐久年数も10年なので、葺き替えが必要となります。
建築してから10年ごとに、塗装や屋根材のメンテナンスを行うようにしましょう。
>>外壁塗装の耐用年数・メンテナンス方法も併せてチェック!
屋根工事にかかる費用相場
屋根工事にかかる費用相場は、屋根材の交換の場合、1平方メートルあたりおよそ5,000~10,000円です。
屋根塗装では、使用する塗料によって異なりますが、1平方メートルあたり1,000~3,000円ほどです。
屋根工事の種類別に、費用相場を一覧表にしてまとめました。
屋根工事の種類 |
工事費用の相場 |
葺き替え |
5,000~10,000円/平方メートル |
葺き直し |
2,500~3,000円/平方メートル |
重ね葺き |
5,000~7,000円/平方メートル |
屋根塗装 |
1,000~3,000円/平方メートル |
屋根材の修繕(瓦のずれ) |
1,900円/平方メートル |
棟板金の修理 |
4,800円/メートル |
漆喰の修理 |
3,000円/メートル |
雨樋の修理 |
2,300~5,000円/メートル |
ただし、実際にかかる工事費用は、業者や使用する材料によって異なります。
屋根工事で失敗しないためのポイント
屋根工事で失敗しないためには、主に以下の2つのポイントに注意しておきましょう。
● 相見積もりで費用を比較する
● 優良業者に依頼する
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
相見積もりで費用を比較する
相見積もりで費用を比較することで、詐欺を未然に防ぎやすくなるでしょう。
相見積もりとは、複数の会社に見積もりを出してもらい、それぞれの工事価格や内訳をチェックすることです。
相見積もりすれば、詐欺に遭って無駄な費用を払う恐れも少なく、工事費用の相場をもとに適正価格での依頼も可能です。
優良業者に依頼する
優良業者に依頼することで、工事の失敗を防げるだけでなく、屋根の耐久性が上がり将来必要となる費用を抑えられるでしょう。
優良業者を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
● 工事実績を開示している
● 見積書の内訳も丁寧に記載している
● 営業担当者が親切に対応してくれる
それぞれのポイントについて、わかりやすく解説していきましょう。
工事実績を開示している
工事実績を開示している業者は、顧客とのトラブルが少なく、技術力が高いと考えられます。工事がうまく完了しているからこそ、しっかりと工事実績を開示できるのです。
反対に、実績を開示しない業者は、工事の際に不都合なことがあった可能性があります。
工事実績の開示を渋る業者はトラブルが多い恐れがあるため、依頼は避けましょう。
見積書の内訳も丁寧に記載している
見積もりを依頼した際、内訳も丁寧に記載している業者は信頼できます。
総工事費のみ記載している場合、人件費や使用する材料費などにいくらの費用がかかっているか判断できません。
必要のない費用まで計上されている可能性もあります。
見積書を確認する際は、工事費用の内訳までしっかりと確認しましょう。
営業担当者が親切に対応してくれる
工事の依頼で会社を訪れた際、営業担当者が親切に対応してくれる業者は信頼できます。
営業担当者が親切な対応をする会社は、社員教育に力を入れている優良業者と言えるでしょう。
>>こちらで業者選びのポイントをさらに詳しく解説!
屋根工事は優良業者に依頼することで無駄な出費を抑えられる
屋根は住宅を守るための大切な部分です。
屋根の劣化は、すぐに大切なご自宅全体の欠陥に繋がります。
住宅のメンテナンスに欠かせない大事な屋根工事は、優良業者に依頼したいところです。
工事が丁寧に行われるため、無駄な出費も抑えられます。
今回紹介したポイントを参考に、優良業者に工事の依頼をするようにしましょう。
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