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「陸屋根とはどんな屋根か知りたい」「陸屋根にした場合、どんなメンテナンスをしなければいけないのだろう」などと、陸屋根という単語を見て悩まれる方もいらっしゃることでしょう。屋根にはさまざまな形状があり、それぞれに適したメンテナンス方法があります。この記事では、屋根の形状のひとつである陸屋根について、以下のような情報を解説していきます。陸屋根の特徴やメンテナンス方法を知っておくことで、雨漏りや住宅劣化を最小限に抑えられるでしょう。
陸屋根(りくやね、ろくやね)とは、フラットな形状の屋根で、平屋根とも呼ばれます。
スタイリッシュなデザインで人気がある形状ですが、木造住宅への施工には不向きです。
木造住宅は柱や壁を支えとして、上に勾配のある屋根を設置します。
陸屋根はフラットな形状なので、木造住宅の屋根部分への設置が簡単ではありません。
しかし、ビルやマンションのような鉄筋コンクリートで建てられた住宅の場合、屋根部分にも骨組みが施されているため、陸屋根の施工がしやすいです。
陸屋根のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきましょう。
メリットとデメリットも知っておくことで、陸屋根をより深く理解できるでしょう。
陸屋根のメリットは、主に以下の2つです。
● 屋根を屋上やバルコニーにできる
● 掃除がしやすくなる
それぞれのメリットの内容を、詳しく解説していきましょう。
陸屋根はフラットな形状なので、屋上やバルコニーにして住宅のスペースを増やせます。
特に、土地の面積が少ない場合、陸屋根を屋上やバルコニーにすることでガーデニングを楽しめたり、洗濯物干し場を確保できたりします。
スペースの有効活用ができるため、近年では陸屋根を屋上やバルコニーに仕上げる住宅が増加しています。
陸屋根は屋根がフラットな形状なので、掃除やメンテナンスがしやすいです。
一般的な屋根の場合、掃除やメンテナンスの際は足場の設置をしなければなりません。
また、転落の危険性も高いです。
しかし、陸屋根は歩行が可能なので、業者に依頼しなくても自分たちで掃除や簡単なメンテナンスができます。
屋根は雨風の影響を受けやすく、汚れやすいです。
掃除やメンテナンスがしやすいと、常にきれいな状態を保てるだけでなく、住宅劣化のスピードを緩められるでしょう。
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陸屋根のデメリットは、主に以下の3つです。
● 最上階の温度調整が難しい
● 屋根裏のスペースが確保できない
● 水はけが悪い
それぞれのデメリットの内容を、詳しく解説していきましょう。
陸屋根は屋根と室内の天井との間にスペースがないため、夏は暑く、冬は寒くなりやすいので温度調整が難しくなります。
室内の温度調整をする場合には、屋根に断熱材や断熱塗料を使用することで、改善できる可能性もあります。
陸屋根は屋根裏のスペースを確保できないため、収納やロフトを設置できません。
収納を多く確保したい場合には、住宅設計の際に業者とよく相談しておくようにしましょう。
陸屋根はフラットな形状なため、一般的な屋根に比べて水はけが悪いです。
水はけが悪いと、コケやカビが生えやすいだけではなく、雨漏りする原因にもなります。
住宅を陸屋根にする際は、丁寧な防水処理が必要です。
陸屋根をメンテナンスする方法は、防水工事を行うことです。
陸屋根に行う防水工事には、大きく分けて以下の3つの方法があります。
● 塗膜防水
● シート防水
● アスファルト防水
それぞれの防水工事の内容を、わかりやすく解説していきましょう。
塗膜防水とは、液状の防水材料を塗布した際の化学反応によって膜がつくられることで、施工箇所を防水する方法です。
施工箇所に材料をそのまま塗って防水できるため、手軽ですし複雑な形状でも施工できます。
また、液状の防水材料を塗るため、継ぎ目なく防水工事ができて雨漏りの不安を軽減できるでしょう。
塗膜防水の耐用年数は、10年ほどです。
塗膜防水には、さらに細かく分けて以下の2つの方法があります。
● ウレタン防水
● FRP防水
それぞれの方法について解説していきます。
ウレタン防水とは、液状化したウレタン樹脂を塗って防水層をつくる方法です。
ウレタン樹脂は弾性があるため、乾燥するとひび割れに柔らかな塗膜が追従して、破損箇所が目立たない防水層となります。
ただし、弾性があるため乾燥に時間がかかり、工期が長くなるデメリットもあります。
FRP防水とは、ガラス繊維強化プラスチックを使って防水層をつくる工法です。
ガラス繊維強化プラスチックは、合成樹脂と補強材を混ぜ合わせてつくられた、高い耐候性や耐熱性などを持つ防水材料です。
乾燥にかかる時間が短いため、短期間で工事を終えられます。
また、耐久性の高さから、ベランダやプール、屋上駐車場などに施工されています。
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シート防水とは、シート状の防水材を貼って防水層をつくる方法です。
シート防水はシートを一気に貼って施工するため、工期が短くて済みます。
ただし、シート状なので、でこぼこしていたり複雑だったりする箇所への施工は不向きです。
>> ルーフィングシートの張り替えに適した時期は?ルーフィングの種類も紹介!
シート防水を設置する際、「接着工法」と「機械的固定工法」の2つの方法があります。
接着工法は、シートの裏側に専用の接着剤を塗布して貼りつけていきます。
機械的固定工法は、ビスや鉄板などを使ってシートと下地を固定する方法です。
シート防水の耐用年数は、およそ15年ほどです。
シート防水には、さらに細かく分けて以下の2つの方法があります。
● 塩化ビニールシート防水
● ゴムシート防水
それぞれの方法について、解説していきます。
塩化ビニールシート防水とは、紫外線や熱に強い塩化ビニールシートを貼って防水層をつくる方法です。
塩化ビニールシートは耐摩耗性に優れているため、歩行する頻度が高いベランダへの施工にもおすすめです。
ゴムシート防水とは、シート状の合成ゴムを貼って防水層をつくる方法です。
耐久性が高く、伸縮性もあるため下地に追従しやすいです。
ただし、素材の厚さが塩化ビニールシートよりも薄めなので、傷みやすいというデメリットがあります。
アスファルト防水とは、液状のアスファルトと、アスファルトシートを重ね貼りして防水層をつくる方法です。
アスファルトシートとは、合成繊維不織布にアスファルトを浸透させており、高い防水性を持ちます。
屋上の防水工事の方法の中では、アスファルト防水が最も防水性に優れています。
ただし、工事の方法が大掛かりとなるため、屋上面積の広いビルやマンションに施工されることが多いです。
アスファルト防水の耐用年数は、およそ15~20年ほどです。
耐用年数も、ほかの防水工事と比べると長めとなります。
>> アスファルトシングルについて詳しく解説!塗装時期や順序は?
アスファルト防水には、さらに細かく分けて以下の2つの方法があります。
● トーチ工法
● 常温工法
それぞれの方法について、解説していきます。
・トーチ工法
トーチ工法とは、アスファルトシートをバーナーで溶かしながら貼りつけて防水層をつくる方法です。
バーナーでシートを溶かして施工するため、アスファルト防水工事で行われるアスファルトを溶解する際にケガの恐れや臭いがありません。
ただし、バーナーを使っての作業は難易度が高くなるため、きれいに仕上がるかは職人の腕次第となります。
工事は、トーチ工法に慣れている業者や職人に依頼するようにしましょう。
・常温工法
常温工法とは、耐久性が高い改質アスファルトルーフィングというシートを下地に貼りつけて防水層をつくる方法です。
名前の通り、火を使わないアスファルト防水の工事となります。
作業しやすい工法ですが、シートを何層にも重ねなければいけないため、屋根に負担がかかるというデメリットもあります。
それぞれの防水工事の特徴を、わかりやすく一覧表にしてまとめました。
防水工事 | 特徴 |
---|---|
塗膜防水 | ・液状の防水材で防水層をつくる |
シート防水 | ・シート状の防水材を貼って防水層をつくる |
アスファルト防水 | ・アスファルトシートを設置して防水層をつくる |
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陸屋根のメンテナンスにかかる費用相場は、防水工事の種類によって異なりますが、1㎡あたり4,000~8,000円ほどかかります。
防水工事別に、費用相場を一覧表にしてまとめました。
防水工事の種類 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
塗膜防水 | 4,000~8,000円 |
シート防水 | 3,000~7,000円 |
アスファルト防水 | 4,500~9,000円 |
陸屋根はスタイリッシュなデザインで、スペースの有効活用もできることから、人気が高まっています。
しかし、一般的な屋根に比べて水はけが悪いため、雨漏りや劣化に注意しなければなりません。
陸屋根の劣化を防ぐためには、丁寧な防水工事を行い、安心して暮らせるようにしましょう。
>> 住宅の雨漏りを防水塗装で防ぐ方法や安く金額にできるコツを詳しく解説!
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
陸屋根のメリット・デメリットを教えてください。 |
---|
メリットは「お手入れしやすくなる」ことなどです。 |
陸屋根のメンテナンス費用は、いくらくらいですか? |
防水工事の種類にもよりますが、たとえばシート防水を行う場合には3,000~7,000円/㎡です。 |
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