外壁で使うガルバリウム鋼板について
ガルバリウム鋼板とは、アメリカで開発された、アルミニウムと亜鉛合金のメッキ鋼板です。
アルミニウムが55%、亜鉛が43.4%、シリコンが1.6%の割合で原料を溶融して作られています。
軽量で耐久性が高いため金属製の外壁材として人気があり、屋根材としての需要も高くなっています。
ガルバリウム鋼板の費用相場・耐用年数
ガルバリウム鋼板の価格・費用相場
外壁塗装に使うガルバリウム鋼板の材料費は1㎡あたり4,300~5,300円ほどです。
また、30坪の住宅でガルバリウム鋼板の外壁に交換する費用は120~270万円が目安となるでしょう。
メンテナンスの場合は30坪で60~260万円ほどです。
ガルバリウム鋼板の耐用年数
外壁で使うガルバリウム鋼板は20~25年程度の耐用年数があります。
耐用年数とは、ガルバリウム鋼板の交換目安となる期間のことです。
ただし、ガルバリウム鋼板の外壁は基本的には10~15年ごとに塗装メンテナンスが必要になります。
定期的にメンテナンスをしなければ耐用年数は短くなるでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の施工について
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ほかの外壁材と比較したガルバリウム鋼板のメリットとデメリット
ガルバリウム鋼板の外壁には6つのメリットと4つのデメリットがあります。
外壁をガルバリウム鋼板にするメリット
外壁に使うガルバリウム鋼板のメリットは以下の6つです。
● 金属材の中では錆びにくい
● 防水性が高い
● 軽量で耐震性が高い
● 耐用年数が長い
● ひび割れしにくい
● モダンな外観にできる
以下では具体的に解説していきます。
金属材の中では錆びにくい
ガルバリウム鋼板はアルミニウムが主原料のため、トタンといったほかの金属外壁材に比べて非常に錆びにくいです。
防水性が高い
ガルバリウム鋼板は窯業系サイディングやALC外壁と比較して隙間が少ない傾向があります。
水が内部に入り込みにくく、雨漏りを防止する効果が期待できます。
軽量で耐震性が高い
外壁材は軽量であるほど地震に強い傾向があります。
ガルバリウム鋼板は外壁材の中で特に軽量なため、耐震性が高い住宅にできるでしょう。
耐用年数が長い
一般的にガルバリウム鋼板は
20~25年と耐用年数が長く、外壁の張り替えサイクルを延ばすことができるでしょう。
ただし、実際の耐用年数は環境や外壁材のメーカーによって変化するため、20年以内に張り替えが必要になる場合もあります。
ひび割れしにくい
モルタルやコンクリートは経年劣化によりひび割れすることがありますが、ガルバリウム鋼板は金属素材のためひび割れしにくいです。
ひび割れによる内部への雨の浸入の心配も少なく、より安心して住めるでしょう。
モダンな外観にできる
ガルバリウム鋼板を使うとモダンな雰囲気の家にしやすくなります。
金属の素材感が無異質な印象を与えるので、スタイリッシュな家に憧れている方におすすめです。
外壁をガルバリウム鋼板にするデメリット
外壁でガルバリウム鋼板を利用する場合のデメリットは以下の4つです。
● 傷がつきやすい
● デザイン性が低い
● へこみやすい
● 施工費用が比較的高い
以下では具体的に解説していきます。
傷がつきやすい
ガルバリウム鋼板は表面のメッキが薄いため、傷がつくと錆びてしまうことがあります。
運搬や施工時には細心の注意が必要です。
デザイン性が低い
ガルバリウム鋼板は金属の質感によりシンプルなデザインをしています。
シックな住宅を作るのであれば最適ですが、模様のバリエーションは窯業系サイディングよりも少ないでしょう。
へこみやすい
ガルバリウム鋼板は物が当たるとへこみやすいです。
日常生活で気を遣う必要はあまりありませんが、子どもがサッカーやバスケットボールなどをする場合は注意しましょう。
施工費用が比較的高い
ガルバリウム鋼板は
施工に手間がかかるため、ほかの外壁材よりも施工費が高くなることがあります。
施工費は業者によって異なるので、複数社に見積もりを依頼して比較してみてください。
ガルバリウム鋼板は、断熱性と防音性が低いという情報は本当?
一部のネット記事は、ガルバリウム鋼板について「断熱性と防音性が低い」と主張しています。
しかし、外壁においては正確な情報とはいえません。
たしかに、ガルバリウム鋼板の素材自体は断熱性や防音性が低い傾向があります。
ただし、ガルバリウム鋼板をそのまま使うのは主に屋根です。
外壁に利用する場合は、一般的に断熱材とセットで使用します。
金属系サイディングは断熱材がついているため、ほかの外壁材に比べてむしろ断熱性と防音性に優れているといえるでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の施工について
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外壁用のガルバリウム鋼板の種類・人気メーカー
ガルバリウム鋼板の種類
ガルバリウム鋼板には、以下の2種類があります。
● 縦張り
● 横張り
この2種類の主な違いは、胴縁(サイディングの裏側に敷いてある下地材)の取り付け方と、デザイン性・防水性です。
縦張りの場合は胴縁を横に取り付け、横張りの場合は胴縁を縦に取り付けます。
横張りはデザイン性が高いです。
縦張りは雨水が流れ落ちやすくなるため防水性が高くなります。
ガルバリウム鋼板の人気メーカー
ガルバリウム鋼板の人気メーカーについて、紹介していきます。
人気メーカーは、以下の4つです。
● 旭トステム
● アイジー工業
● ニチハ
● ケイミュー
● 日鉄鋼板
● YKK AP
それぞれのメーカーについて詳しく解説していきます。
旭トステム
旭トステムは外壁材や工法の開発を行い、独自商品を生み出しているメーカーです。
耐震性や断熱性に優れた外壁材「Danサイディング」シリーズが人気の商品となっています。
アイジー工業
アイジー工業は金属製外装材を専門としている企業で、住宅や住宅ではない鉄骨造の建物向けの外壁材の開発・製造などを行うメーカーです。
人気商品の「アイジーサイディング」は自然素材感のあるデザインや、金属の質感があるデザインなど、さまざまな商品があります。
ニチハ
ニチハは外装建材で有名なメーカーで、機能性・デザイン性の高い商品を開発しています。
「プレミアムシリーズ」は表面材に「フッ素塗装高耐食GLめっき鋼板」を使用しており、紫外線による色あせに強いのが特徴です。
ケイミュー
ケイミューは、屋根材・外壁材などの事業を行うメーカーです。
光触媒など独自の技術力を活かした製品を開発しています。
「はる・一番」という外壁材は軽量なため、地震でも揺れにくいのが特徴です。
また、トップコートに遮熱性フッ素焼付塗装を行っているため、遮熱性・断熱性も備わった外壁材となっています。
日鉄鋼板
日鉄鋼板社は建物の屋根や壁に使われる鋼板を製造しているメーカーです。
「ニスクカラーSGL」は、従来のガルバリウム鋼板に防錆び効果のあるマグネシウムをプラスしており、耐久性の高い製品です。
また、塗膜には雨を利用して汚れを落とすセルフクリーニング機能があるので、きれいな外観を保つサポートをしてくれます。
YKK AP
YKK APは、窓やドアなどさまざまな住宅建材で高い評価を得ているアルミ建材メーカーです。
「アイアンベール」には断熱材が使用されており、冬に室内を暖かくしたり省エネ効果が期待できたりします。
縦や横にラインの入ったデザインのほか、石積み調などのおしゃれなデザインもあります。
ガルバリウム鋼板の外壁が向いているケース
メリットとデメリットを考慮すると、主に以下の2つの状況でガルバリウム鋼板の外壁が適しているでしょう。
● シックな金属風デザインの外壁にしたいとき
● 建物への負担を減らすために軽量な外壁材を使いたいとき
ガルバリウム鋼板の外壁は無機質な印象を受けることが多いため、格調高い印象の住宅にしたい場合に適しています。
また、非常に軽量な外壁材ですので建物への負担を軽減できるでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の施工について
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ガルバリウム鋼板を選ぶときのポイント
ここでは、ガルバリウム鋼板を選ぶときのポイントを説明します。
● サンプルを確認する
● 色ごとの特徴も考慮する
● さまざまなメーカーの商品を比較する
サンプルを確認する
ガルバリウム鋼板を選ぶときはカタログだけで決定せず、必ずサンプルも確認しましょう。
実際の素材感や色やカタログでは判断できないからです。
サンプルはショールームに行ったり業者に依頼したりすれば提供してもらえます。
サンプルは外で光の当て方を変えながら確認し、実際に住宅に使ったときにどのように見えるかイメージしてみましょう。
色ごとの特徴も考慮する
ガルバリウム鋼板の色は
黒やシルバーが人気です。
黒や白を使うとモダンでおしゃれな住宅にデザインでき、白は遮熱性も期待できますが、汚れが目立ちやすい点に注意しましょう。
汚れを目立ちにくくしたい場合は、シルバーがおすすめです。
さまざまなメーカーの商品を比較する
特定のメーカーに絞らず、さまざまな商品を幅広くチェックしてみましょう。
同じ色のガルバリウム鋼板でも、メーカーによってツヤや質感が異なります。
理想の外壁になるよう、多数の商品を比較検討しましょう。
ガルバリウム鋼板を外壁に使うときの注意点
ここからは、ガルバリウム鋼板を外壁に使うときの注意点を解説します。
● 施工実績が豊富な業者に依頼する
● 塗装するときは錆びる前に施工を
施工実績が豊富な業者に依頼する
ガルバリウム鋼板は比較的施工が難しいため、ガルバリウム鋼板の知識や施工経験の豊富な業者へ依頼することが重要になります。
複数の業者に見積もりを依頼し、提案力やスキルを比較してみましょう。
リショップナビ外壁塗装では、チャット形式で質問に答えていくだけで近くの業者に一括で見積もりを依頼できます。
質問に回答後は15秒ほどで結果が受け取れ、近くの業者や相場がすぐにわかりますよ。
塗装するときは錆びる前に施工を
前述の通り、ガルバリウム鋼板の外壁は10~15年ほどを目安に再塗装を依頼しましょう。
ガルバリウム鋼板は錆びにくい建材ですが、決して錆びないわけではありません。
一度錆びると上から塗装しても錆びが徐々に進行してしまい、住宅内部まで傷めてしまう可能性があります。
錆びる前に塗り替えるようにしましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の施工・メンテナンス方法
外壁にガルバリウム鋼板を使う場合、大規模メンテナンスの方法が3つあります。
● 塗装(塗り替え)
● カバー工法(重ね張り)
● 張り替え
それぞれの工事方法や費用相場を以下で詳しく説明していきます。
塗装(塗り替え)
既存の塗膜を剥がしてから再塗装するメンテナンス方法です。
ガルバリウム鋼板が錆びたり、塗装が剥げたりした場合に必要となります。
紹介する3つのメンテナンス方法の中では工事費がもっとも安い傾向があり、30坪の住宅だと60~100万円ほどですむでしょう。
カバー工法(重ね張り)
既存の外壁の上から新しく外壁材を重ねて張るメンテナンス方法です。
塗装では補修が難しいほど劣化が激しい場合にカバー工法を行います。
ただし、外壁材の内側まで劣化が進行している場合は基本的に張り替えが必要です。
外壁が重くなるため、カバー工法では主に金属系サイディングを利用します。
工事費は張り替えよりは安い傾向があり、30坪で120~240万円ほどとなるでしょう。
張り替え
外壁の張り替えは、既存の外壁材を剥がして新しく張り直すメンテナンス方法です。
カバー工法でも対処が難しいほど内部が劣化している場合に行います。
また、金属系サイディング以外で外壁のデザインを一新したい場合にも利用する方法です。
紹介する3つのメンテナンス方法のなかで費用がもっとも高く、30坪で160~260万円ほどかかります。
以下に、各メンテナンス方法についての情報を表でまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
メンテナンス方法 | 対応する劣化状況 | 30坪の費用目安 |
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塗り替え | 錆び、塗装の剥がれ | 60~100万円 |
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カバー工法 | 外壁材の外側の劣化 | 120~240万円 |
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張り替え | 外壁材の内側の劣化 | 160~260万円 |
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自分で洗浄する
錆びの原因になるコケを予防するため、定期的に自分で外壁を洗浄しましょう。
洗浄するときはやわらかい布やスポンジなどを水で湿らせ、汚れやコケのある部分を優しくこすります。
水だけでは落ちない場合は、外壁専用洗剤や食器用の中性洗剤を使いましょう。
高圧洗浄機はガルバリウム鋼板に傷をつけてしまう可能性があるため、使用しないほうがよいです。
傷がつくとそこから錆びてしまうので、強くこすらないようにしましょう。
優しくこするだけできれいにならない場合は、業者に外壁洗浄を依頼してみてください。
ガルバリウム鋼板の外壁をDIYで施工できる?
DIYでの施工は基本的におすすめしません。
高所作業があるリフォームでは、転落などの危険があります。
リフォームによっては、材料や足場などの準備にお金や労力がかかったり、施工が上手くできていなかったりして、結果的に業者に依頼したほうが安くなる場合もあるでしょう。
ガルバリウム鋼板の塗装は表面を削って剥がれにくくするなど、ほかの外壁材の塗装よりも高い技術が必要になります。
知識や経験がないまま塗装すると、数年で剥がれてしまうでしょう。
また、張り替えリフォームは、下地の状態に合った断熱材や補強の挿入といった専門性の高い作業が必要です。
このように、ガルバリウム鋼板外壁のリフォームには専門的な知識が必要です。
素人だけで施工方法を決めたり作業したりすると誤った工事を行う可能性もあるため、リフォームの際には業者に依頼するようにしましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の施工について
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ガルバリウム鋼板外壁を使った事例5選
最後に、ガルバリウム鋼板を外壁に使ったリフォームの事例を5つ紹介します。
カバー工法によりコストを抑えてリフォーム
項目 | 詳細 |
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築年数 | 20年 |
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施工日数 | 7日間 |
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リフォーム箇所 | 外壁塗装・外壁 |
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リフォーム費用概算 | 200~250万円 |
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色調 | 黒系 |
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既存の窯業系サイディングの上にガルバリウム鋼板を被せて取り付けました。
張り替えるのではなく、古い外壁材の上から新しい外壁材を張り付けるカバー工法(重ね張り)を採用することによりコストを抑えています。
ガルバリウム鋼板でメンテナンスを楽に
項目 | 詳細 |
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築年数 | 21年 |
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施工日数 | 30日間 |
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リフォーム箇所 | 外壁塗装・外壁、屋根塗装・屋根 |
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リフォーム費用概算 | 約240万円 |
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屋根・外壁にガルバリウム鋼板を使ったリフォームの事例です。
ガルバリウム鋼板は色あせやひび割れの心配が少ないため、メンテナンスが楽になるでしょう。
モダンでおしゃれな外壁へ変身
項目 | 詳細 |
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築年数 | 14年 |
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施工日数 | 90日間 |
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リフォーム箇所 | 外壁塗装・外壁 |
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リフォーム費用概算 | 400~500万円 |
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色調 | 白系 |
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耐久性の高いガルバリウム鋼板を使い、モダンでおしゃれな外壁にリフォームしました。
白いガルバリウム鋼板を採用し、新築のような外観になりました。
黒いガルバリウム鋼板で洗練された家に
項目 | 詳細 |
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築年数 | 15年 |
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施工日数 | 30日間 |
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リフォーム箇所 | 外壁塗装・外壁 |
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リフォーム費用概算 | 約160万円 |
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色調 | 黒系 |
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「おしゃれで丈夫な外壁にしたい」という依頼主の要望により、黒いガルバリウム鋼板を使ってスタイリッシュな外観に仕上げました。
ガルバリウム鋼板ならおしゃれと耐久性の高さを両立できますよ。
ツートンカラーの明るい外壁
項目 | 詳細 |
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築年数 | 21年 |
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施工日数 | 30日間 |
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リフォーム箇所 | 外壁塗装・外壁 |
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リフォーム費用概算 | 300~400万円 |
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グレーと石積み調のガルバリウム鋼板を組み合わせた事例です。
ツートンカラーの外壁は個性を出しつつおしゃれな外壁にできるので、デザインにこだわりたい方におすすめです。
ガルバリウム鋼板の外壁は軽量で錆びにくい!10年ごとに塗装しよう!
ガルバリウム鋼板の外壁は軽量で耐震性が高く、錆びにくいメリットがあります。
メンテナンスや交換にかかる費用は60~270万円が目安となるでしょう。
外壁材としてのガルバリウム鋼板の耐用年数は20~25年です。
ただし、一般的に10~15年ごとに塗装メンテナンスが必要となります。
ガルバリウム鋼板は無機質なデザインのため、シックな印象の住宅にしたい場合は利用を検討してみてください。
最後に、今回の内容を簡単にまとめましたので、ご確認ください。
外壁塗装に使用するガルバリウム鋼板の費用相場を知りたいです。 |
材料費は、1㎡あたり4,300~5,300円程度となっています。 ガルバリウム鋼板を使った外壁リフォーム費用の目安については、こちら。 |
外壁をガルバリウム鋼板にするメリット・デメリットは何でしょうか? |
メリットは、「金属材でも比較的錆びにくい」「軽いので耐震性に優れている」といったことです。 デメリットは、「傷つきやすい」「模様の種類が少ない」ことなどが挙げられます。 詳しくは、こちら。 |