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「外壁にALCパネルって何?」「ALCパネルの特徴や価格を知りたい」といった疑問を持つ方もいるでしょう。本記事では、外壁で使うALCパネルの特徴や種類、価格相場、耐用年数、施工事例をご紹介します。ALCパネルが自宅の外壁に適した素材か判断できるようになりますので、参考にしてみてください。
ALCパネルとは、珪石やセメント、生石灰、アルミ粉末を原料とした「軽量気泡コンクリート建材」です。
建築材として広く利用されており、特に外壁材としての人気があります。
耐火性があるパネル素材としてもっとも普及しており、JIS規格(JIS A 5416)に適合した製品のため品質と寸法が高い精度で保証されているという特徴があります。
ALCパネルの種類は、主に3つの違いにより分かれています。
外壁のALCパネルは、形状によって次の2種類に分類できます。
● 一般パネル:建物の平面部に利用する平らなALCパネル
● コーナーパネル:建物の角に利用する細長いL字型のALCパネル
一般パネルは、外壁の「面」部分で使います。
コーナーパネルは、外壁の「角」部分で使う素材です。
いずれも形状が違うだけで素材や模様に変わりはありません。
外壁のALCパネルは、厚さによって次の2種類に分かれます。
● 厚型パネル:厚さ75mm以上のパネル
● 薄型パネル:厚さ35mm以上で75mm未満のパネル
厚型パネルは、主に鉄骨や鉄筋コンクリートなどの強固な建物で使用します。
一方で、薄型パネルは、主に木造や鉄骨の建物といった耐久性が低い住宅で利用します。
外壁のALCパネルは、表面の加工方法によって次の2種類があります。
● 平パネル:特にデザイン性がない平らなALCパネル
● 意匠パネル:模様が施されているデザイン性が高いALCパネル
特に要望がない場合は平パネルを利用します。
一方で、デザイン性を重視して模様付けをしたALCが意匠パネルです。
一般的な平パネルの場合は幅が300〜600mm、長さは600mm以上が多いです。
ただし、ALCパネルのサイズは製品や厚さによって異なるため、詳しくは業者に確認が必要です。
ALCパネルのサイズは、外壁での目地の多さに影響を与えます。
目地が多いほどシーリング材と呼ばれる補修材で隙間を埋める工程が増えるため、工事費が高くなるでしょう。
また、目地が多いとデザイン性も低下しやすいです。
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外壁で利用するALCパネルの価格相場は、1平方メートルあたり7,000〜15,000円程度です。
上記の金額以外に施工費などがかかるため、実際の総額は高くなります。
30坪ある住宅の外壁をALCに交換する場合、工事費は150〜300万円ほどと考えられます。
ALCパネルの耐用年数は、適切なメンテナンスを行えば60年以上あります。
耐用年数とは、ALCパネルの交換が必要となるまでの期間です。
年数とともに劣化していくため、10〜15年おきに塗装リフォームなどのメンテナンスが必要だといわれています。
ALCパネルの耐久性を活かすためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。
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他の外壁材と比較したときの、ALCパネルを利用するメリットは主に次の5つです。
ALCパネルは、補強材として防錆性能を有する鉄筋やスチールの金網が内包されているため耐久性が高いです。
外部からの圧力や衝撃に対して非常に強く、長期間に渡って建物の美観や性能を維持できます。
ALCパネルはコンクリートのため火事でも燃えず、延焼防止に効果的です。
有毒なガスや煙も発生しないため、火災時の安全性を高める建材といえるでしょう。
ALCパネルは、無数の気泡を含ませたコンクリート素材です。
空気の層が外の騒音を軽減してくれるため、静かな住空間を作ってくれます。
ALCパネルは、内部に作られた無数の細かい気泡によって、コンクリートの10倍もの断熱性を発揮します。
エアコンなどの空調の効率が上がるため、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。
また、光熱費の削減にもつながるでしょう。
ALCパネルは空気中の水分量をコントロールして、結露の発生を抑えることができます。
室内側の湿度が高いときは吸収して、低いときは吐き出すため、湿度を一定に保てます。
湿度を調整することで、室内のカビや乾燥を防ぐ効果を期待できるでしょう。
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他の外壁材と比較したときの、ALCパネルを利用するデメリットは主に次の3つです。
ALCパネルは、気泡が多いため水を吸い込みやすい性質です。
下地が水に直接ふれてしまうと急速に劣化します。
劣化を防ぐには塗装が必須です。
塗装の耐用年数は10〜15年ほどのため、定期的にメンテナンスしないと水を吸収してボロボロになってしまうでしょう。
>>【外壁塗装の種類】工事方法や塗料別の特徴などを徹底解説!
>> 外壁塗装の耐用年数は、何年?塗料や外壁ごとに詳しく説明します!
ALCパネルは1枚のサイズが小さいため、接合部の目地が多いです。
メンテナンスする際に、目地の面積が広くなるため、通常よりも多くの手間や費用がかかるでしょう。
また、目地が多いことでデザイン性が落ちるデメリットもあります。
他の外壁材との価格をまとめました。
外壁材 | 1㎡あたりの価格 |
サイディング(窯業系) | 3,500~5,000円 |
サイディング(金属系) | 4,000~6,000円 |
モルタル | 1,500〜4,000円 |
ALCパネル | 7,000〜15,000円 |
タイル | 7,000〜9,000円 |
ALCパネルの価格は、サイディングやモルタルなどの外壁材と比較すると高めです。
その分、優れた耐久性と耐震性、耐火性などを考えると、コストパフォーマンスに優れた外壁材だといえるでしょう。
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ALCパネルの外壁がおすすめの住宅は、主に次の2つです。
● 外壁を軽量化して建物への負荷を減らしたい
● 外壁の交換をできるだけ避けたい
ALC外壁は耐久性に対して非常に軽量なため、建物への負担が少なく済みます。
また、耐用年数が長いため、適切にメンテナンスを行うことで外壁材を交換する機会は少ないでしょう。
高い耐久性を活かして、長期的にメンテナンスコストを抑えたい住宅に向いています。
ALCパネルが劣化した場合のメンテナンス方法は、主に4つあります。
方法 | 対応する劣化状況 | 工事内容 | 費用相場 |
シーリング補修 | 目地のひび割れ、剥がれ | シーリングを剥がして打ち替え | ・打ち増し ・打ち替え |
塗装 | 塗膜の剥がれ、ひび割れ | 再塗装 | 70~150万円 |
カバー工法(重ね張り) | 塗装の剥がれ、ひび割れ | 新しい外壁を重ねて張り付け | 130~220万円 |
パネルの交換 | パネルの割れ、破損、著しい劣化 | ALCパネルの交換 | 150~300万円 |
それぞれのメンテナンス方法を解説します。
ALCパネルの接合部にある目地のシーリング材が、ひび割れたり剥がれたりした場合に必要なメンテナンスです。
シーリング補修は「打ち増し」と「打ち替え」の2種類があります。
打ち増しは、既存のシーリングの上から新たらしいシーリング材を入れる工事です。
打ち替えは、既存のシーリングを剥がしてから新しいシーリング材を埋め込みます。
耐久性を高くするのであれば、打ち替えしたほうが良いでしょう。
シーリング補修をしないと、ひび割れや剥がれた箇所から雨水や湿気が建物内部に浸入し、下地にダメージを与える原因となります。
そうならないためにも、目地のシーリング補修は重要なメンテナンスとなるため、定期的に行いましょう。
ALCパネルのシーリング補修の費用単価は次のとおりです。
● 打ち増し 450~1,000円/㎡
● 打ち替え 700~1,200円/㎡
一般的なサイディングの外壁と比べて、ALCパネルの目地は1.5倍以上あります。
ALCパネルの大きさにもよりますが、ここでは目地の長さを400mと仮定した場合、シーリング補修の総費用は次のとおりです。
● 打ち増し 18~40万円
● 打ち替え 28~48万円
※30坪の戸建の場合
シーリング補修の工期は1~2日が目安です。
目地が多い場合はそれ以上の日数がかかるでしょう。
塗装はALCパネルの塗装が剥がれてきたりひび割れたりした場合に必要なメンテナンスです。
ALCパネルは吸水性が高いため、塗装の効果がなくなると雨水などを吸収してしまいすぐに劣化します。
そうならないためにも、10〜15年ごとに塗装するのが良いといわれています。
ただし、日本は湿気が多く台風の影響を受けやすい環境のため、10年ごとに塗装したほうがより長持ちさせられるでしょう。
ALCパネルの塗装リフォームは70~150万円が目安です。※30坪の戸建の場合
費用には足場の設置、高圧洗浄、下地補修、塗装、足場の解体などが含まれます。
塗装リフォームの工期は12~15日が目安です。
>> 外壁塗装の坪数ごとの費用相場は?
>> 【外壁塗装の種類】工事方法や塗料別の特徴
>> 外壁塗装に悪徳業者が多い理由!よくある手口とは?
カバー工法は、ALCパネルの塗装が剥がれてきたりひび割れたりした場合に必要なメンテナンスです。
元からある外壁のうえに、新しい外壁を重ねて張り付けます。
外壁に新しい外壁を重ねるため総重量が増加します。
その場合、地震の際に揺れやすくなる傾向があるため、できるだけ軽量な外壁材を使用するのが良いでしょう。
ALCパネルのカバー工法は130~220万円が目安です。※30坪の戸建の場合
工期は10~20日が目安です。
カバー工法(重ね張り)で人気の外壁ごとの費用相場をまとめましたので、参考にしてみてください。
外壁材 | 費用相場(/㎡) |
金属系サイディング | 8,200~10,900円 |
ガルバリウム鋼板 | 12,100~24,200円 |
樹脂系サイディング | 16,400~21,500円 |
>> 外壁カバー工法(重ね張り)とは?費用相場やリフォーム業者の選び方
>> ガルバリウム鋼板を外壁材に使うメリット!施工価格や耐用年数
ALCパネルが割れや破損、著しく劣化した場合に必要なメンテナンスです。
古い壁材を撤去して、新しい壁材に交換します。
ALCパネルを交換することで、耐久性や断熱性などが回復し、快適に暮らせるようになるでしょう。
ただし、既存の壁材の撤去や処分代、新しい壁材の材料費などかかるため、シーリング補修や塗装と比べると工期が長く料金も割高です。
工期や予算などを踏まえて、どのメンテナンス方法がベストか選んでみてください。
ALCパネルの張り替え費用は150~300万円が目安です。※30坪の戸建の場合
張り替えにかかる工期は7~17日ほどです。
足場の設置・解体の他に、元の外壁の撤去と新しい外壁への張り替えを行うため、費用が高額になりがちです。
その分、外壁を撤去した際に下地のメンテナンスができて、耐久性も新品同様になるため、安心して長期的に利用ができます。
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外壁でALCパネルを利用する際の主な注意点は2つです。
ALCパネルは10〜15年ごとに塗装が必要といわれています。
塗装が剥がれてしまうと雨を吸収してALCパネルが劣化してしまうからです。
特に、日本は湿気や台風の影響を受けやすい環境です。
10年おきなど早めにメンテナンスを行うのが良いでしょう。
ALCパネルに油性塗料を使わないようにしましょう。
油性塗料は浸透性が低いため、ALCパネルの調湿性能を活かせません。
また、油性塗料は密閉性が高いため結露が起こりやすく、ALCパネルとは相性が悪いです。
ALCパネルに塗装する際は、透湿性の高い塗料が良いでしょう。
当サービス『プロヌリ』のグループ『リショップナビ』の加盟店が実際に施工した、ALCパネルを設置した事例を3つご紹介します。
リフォーム費用 | - |
施工日数 | 7日間 |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 20年 |
築20年目で初めての外壁塗装を行いました。
震災の影響でひび割れなどがあったため、エポキシ樹脂でガッチリと固定。
ピンク系とクリーム系でインパクトのあるカラーに仕上がりました。
リフォーム費用 | 約92万円 |
施工日数 | 14日間 |
住宅の種類 | 一戸建て |
築年数 | 22年 |
塗装前に、ひび割れた目地のコーキング補修を行いました。
劣化したコーキングの隙間からの水の侵入を防ぐ重要な工程です。
その後、ラジカル塗装を行うことで外壁全体の防水性能が向上できました。
リフォーム費用 | 約550万円 |
施工日数 | 30日間 |
住宅の種類 | マンション・アパート |
築年数 | 18年 |
賃貸マンションの大規模改修を行いました。
劣化したALCパネルの目地のシーリングの打ち替えを行ったうえで塗装を実施。
高い技術を求められる工事でしたが、キレイに仕上がりました。
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ALCパネルの耐用年数は60年以上あります。
また、耐震性や耐火性があるため、他の外壁材と比べて魅力的といえるでしょう。
しかし、塗装メンテナンスを10〜15年ごとに行わないと耐久性は急速に低下します。
ALCパネルを外壁として利用する場合は、定期的なメンテナンスを実施するようにしてください。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
ALCパネルとは何ですか? |
珪石やセメント、生石灰、アルミ粉末を原料とした「軽量気泡コンクリート建材」です。詳しくは、こちら。 |
ALCパネルの費用相場を教えてください。 |
外壁で利用するALCパネルの費用相場は1平方メートルあたり5,500〜7,200円、30坪の住宅の場合は材料費のみで54万円〜71万円ほどです。 メンテナンス費用などの詳しい解説は、こちらをご覧ください。 |
ALCパネルのメリット・デメリットを教えてください。 |
メリットは、耐久性が高いこと、火に強いことです。詳しくは、こちら。 デメリットは、吸水性が高すぎること、接合部が多いことです。詳しくは、こちら。 |
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