「コロニアル屋根とはどんな屋根材か知りたい」「コロニアル屋根の塗装やメンテナンス方法が知りたい」コロニアル屋根の設置を検討している方の中には、こういったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、コロニアル屋根の特徴やメリット/デメリット、劣化状況、メンテナンス方法(塗装ほか)、塗装費用を抑える方法などをご紹介します。コロニアル屋根について基礎知識を持っておくことで、塗装の際の失敗を防げるでしょう。
コロニアル屋根とは?
コロニアルとは、ケイミュー株式会社が販売している「スレート」という屋根材の商品名です。
スレートとは、セメントと繊維質を混ぜ合わせて薄い板状にした屋根材のことです。
住宅に使われているスレート屋根材の中でも、コロニアルの普及率は非常に高いです。
そのため、商品名ではあるものの、コロニアルは屋根材の名称としてよく耳にするようになりました。
耐用年数は20~25年ほどあり、ほかの屋根材よりも価格が安いコロニアルは、コストパフォーマンスが高い屋根材と言えます。
コロニアル屋根のメリットとデメリット
コロニアル屋根のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリットとデメリットをそれぞれ知っておくと、メンテナンスの際の参考になるでしょう。
コロニアル屋根のメリット
コロニアル屋根のメリットには、以下の4つがあります。
・価格が安い
・軽量で住宅に優しい
・デザインが豊富
・施工しやすい
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
価格が安い
コロニアルは、瓦や金属系屋根材に比べると価格が半額〜8割ほどと安いです。
コロニアルの価格は1平方メートルあたりおよそ4,300円ですが、瓦や金属系屋根は7,000~9,000円ほどします。
コロニアルは、屋根材の費用を抑えたい方におすすめです。
軽量で住宅に優しい
コロニアルは薄さ5ミリほどの薄い板で、軽量なため住宅に負担を与えない屋根材です。
住宅に負担がかからないので、地震の際も揺れを軽減して、耐震性を上げられます。
デザインが豊富
コロニアルは、カラーバリエーションが豊富なので、好みの色の屋根に仕上げられます。
また、複数のカラーを使ってデザインできるため、おしゃれな屋根への施工も可能です。
単色の屋根はシンプルでどんな住宅にも合わせやすいですが、人とは違ったおしゃれなデザインを好む方には、特にコロニアルはおすすめです。
施工しやすい
コロニアルは軽量で加工しやすいため、施工しやすい屋根材です。
ほかの屋根材に比べて施工しやすいため、工期が短くて済むというメリットもあります。
また、メジャーな屋根材のため、ほとんどの業者が取り扱える素材で失敗の恐れも少ないです。
コロニアルのデメリット
コロニアル屋根のデメリットには、以下の4つがあります。
・汚れやすい
・ひび割れしやすい
・寒冷地では不向き
・アスベストへの注意が必要
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
汚れやすい
コロニアル屋根は表面がデコボコとしたデザインなので、隙間に汚れが溜まりやすいです。
汚れが目立つようになると、外観が悪くなるだけでなく、屋根の劣化にもつながります。
定期的に掃除してメンテナンスしなければなりません。
ひび割れしやすい
コロニアル屋根は薄い板状なため、衝撃や経年劣化によりひび割れしやすいというデメリットがあります。
特に、強風や台風の後には物の飛来により破損箇所がないかチェックすることをおすすめします。
寒冷地では不向き
コロニアル屋根は断熱性が低いため、寒冷地での設置には不向きです。
また、凍結にも弱いというデメリットもあります。
北海道といった寒さが厳しい地域では、コロニアル屋根の設置はおすすめしません。
アスベストへの注意が必要
2004年より前に設置されたコロニアルには、アスベストが含まれている可能性があるため注意が必要です。
特に、屋根の解体や撤去する際にはアスベストが飛散しないよう対処しなければなりません。
コロニアル屋根のメリットとデメリットを、わかりやすく一覧表にしてまとめました。
メリット | デメリット |
---|
・ほかの屋根材に比べて価格が安い ・耐震性が高い ・デザインやカラーが豊富 ・施工しやすいため工期が短くて済む | ・表面が汚れやすい ・薄いため割れやすい ・断熱性が低い ・アスベストが含まれている可能性がある |
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コロニアル屋根の劣化症状
コロニアル屋根の劣化症状には、主に以下の4つがあります。
・コケやカビの発生
・色褪せ
・反り
・剥がれなどの破損
それぞれの劣化について、具体的にどのような症状になるのか解説していきます。
コケやカビの発生
コロニアル屋根の表面にあるデコボコの隙間に、コケやカビが発生すると白く汚れたようになります。
コケやカビは見た目にも悪いですし、放置すると屋根が腐食して雨漏りの原因にもなるため、塗装や掃除などをする必要があります。
色褪せ
コロニアル屋根の塗膜の劣化により、色褪せが発生することがあります。
屋根は紫外線や雨風の影響を受けやすいため、塗膜が劣化しやすいです。
色褪せはすぐに住宅劣化にはつながりませんが、放置しておくと雨漏りや屋根の腐食の原因となります。
コロニアル屋根が色褪せてきたら、再塗装するようにしましょう。
反り
コロニアルが水分を含み、その後乾燥するということを繰り返すことで、屋根の一部が反ってしまうことがあります。
反ったまま放置しておくと、屋根のひび割れや雨漏りの原因となるため早めの補修が必要です。
剥がれなどの破損
コロニアルが水分を含んで膨れることで、屋根の一部が剥がれてしまうことがあります。
また、強風によって飛来した物が屋根に当たることで、剥がれが生じることもあります。
剥がれが発生していると、屋根の隙間から雨水が内部に入り込む可能性が高いため、早めの補修が必要です。
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コロニアル屋根の塗装手順
コロニアル屋根の塗装手順は、以下の通りです。
①高圧洗浄
②養生
③下地処理
④下塗り
⑤中塗り
⑥上塗り
⑦縁切り
それぞれの手順について、詳しく解説していきましょう。
①高圧洗浄
高圧洗浄機を使い、屋根の汚れを洗い落としていきます。
コケやカビなどの汚れをきれいに洗い落とすことで、屋根の表面と塗料の密着率が上がり、塗装がきれいに仕上がります。
②養生
洗浄後、塗装しない箇所をテープやビニールシートを使って養生します。
養生を丁寧に行うことで、塗装の際に集中して作業できるため、屋根をきれいに仕上げられます。
ご近所トラブルを避けるため、工事前には近隣の住宅に屋根塗装の説明をして、塗料が飛散する恐れがある場所を業者に養生してもらうようにしましょう。
③下地処理
屋根にキズや欠けなどの破損箇所があれば、補修します。
キズや欠けを補修しないまま塗装すると、屋根の劣化が早まり、すぐに修理が必要となります。
④下塗り
屋根の表面と塗料の密着性を上げるため、まずは下塗り材を塗ります。
下塗りは塗装後の仕上がりに大きく影響するため、塗りムラがないよう丁寧に行います。
⑤中塗り
下塗りが乾燥したら、最終的な屋根の色になる塗料を使って中塗りします。
中塗りも、塗りムラがないよう丁寧に塗装しなければなりません。
⑥上塗り
中塗りが乾燥したら、同じ塗料を使って上塗りをします。
上塗りすることで、塗膜が厚くなり耐久性が高まります。
⑦縁切り
上塗りが乾燥したら、カッターやヘラなどを使って屋根材が重なっている部分に隙間を作る「縁切り」を行います。
コロニアルを塗装すると、重なった屋根部分の隙間が塗料によってふさがってしまいます。
重なった屋根部分にきれいな隙間がない場合、雨水が外に排出されず、雨漏りや内部の腐食を起こす可能性が高いです。
コロニアルのように1枚ずつ重ねて施工する屋根材を塗装する際には、雨水の排出を促すため、縁切りを行わなければいけません。
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コロニアル屋根の塗装費用
コロニアル屋根の塗装費用の相場は、1平方メートルあたり2,400~3,200円です。
実際にかかる塗装費用は、業者や使用する塗料によって異なります。
コロニアル屋根の塗装にかかる費用の目安を、わかりやすく一覧表にしてまとめました。
塗装費用の内訳内容 | 費用 (/㎡) |
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高圧洗浄 | 250円 |
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下地処理 | 570円 |
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塗装 | 2,400~3,200円 |
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縁切り | 170円 |
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塗装以外のメンテナンス方法
コロニアル屋根のメンテナンス方法は、塗装以外に以下の2つがあります。
・葺き替え
・カバー工法
それぞれの方法について、詳しく解説していきます。
葺き替え
葺き替えとは、既存のコロニアルを撤去して、新しい屋根材を設置する方法です。
葺き替えは、ほかのメンテナンス方法に比べると費用が高くなり、工期も長くなります。
しかし、外観も美しくなり、耐久性も上がるというメリットがあります。
ただし、2004年以前のコロニアルを葺き替える場合はアスベストを含んでいる可能性があるため、撤去する屋根材の処理の仕方に注意が必要です。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法とは、既存のコロニアルはそのままにしておき、上から新しい屋根材を設置する方法です。
古い屋根材の撤去が不要で、工期も短くて済むため、費用は安く抑えられます。
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コロニアル塗装は優良業者に依頼することで費用を抑えられる!
コロニアル屋根の塗装は、優良業者に依頼することで失敗を防ぎ、塗り直しや修理にかかる費用を抑えられます。
また、丁寧に塗装することで、耐用年数を延ばして将来的にかかる費用も抑えられます。
優良業者の選び方のポイントは、主に以下の3つです。
・相見積もりする
・営業担当者が親切に対応してくれる
・訪問営業を行っていない
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
相見積もりをする
相見積もりすることで、詐欺を未然に防げます。
相見積もりとは、同じ内容で複数の業者に見積もりを依頼することです。
相見積もりして、費用相場よりも価格があまりにも高い場合には、詐欺の可能性があります。
また、反対に安過ぎる場合は手抜き工事をされる可能性もあります。
前述の費用相場を参考に、適正価格に近い業者に依頼するようにしましょう。
営業担当者が親切に対応してくれる
営業担当者が親切に対応してくれる場合、同じ会社で働く職人の質も高いと言えます。
工事の相談に業者を訪れて営業担当者が親切だった場合、安心して塗装の依頼をしましょう。
訪問営業を行っていない
訪問ではなく、店舗でしっかりと営業している会社は顧客が安定している優良業者と考えられます。
反対に、訪問営業を行っている業者は顧客とのトラブルが多い可能性が高いため、依頼は避けた方が良いと言えるでしょう。
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まとめ:コロニアル屋根は定期的にメンテナンスして耐用年数を延ばしましょう
コロニアル屋根は定期的に塗装することで、耐久性が上がり寿命を延ばすことができます。
また、汚れや破損箇所は早めに掃除したり補修したりすることで、屋根の劣化を防いで住宅を雨漏りから守れます。
屋根は紫外線や雨風によって影響を受けやすいので、耐用年数に関わらず、定期的にメンテナンスするようにしましょう。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
コロニアルとはどんなものですか? |
ケイミュー株式会社が販売している「スレート」という屋根材の商品名です。 |
コロニアル屋根の塗装費用を教えてください。 |
コロニアル屋根の塗装費用の相場は、1平方メートルあたり2,400~3,200円です。 |
塗装以外のメンテナンス方法は何ですか? |
葺き替えやカバー工法があります。 |