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本記事では、フッ素塗料の特徴や価格、ほかの塗料との違いについて解説していきます。また、フッ素塗料は「日本ペイント」「エスケー化研」「関西ペイント」といった有名な大手メーカーから多数の商品が販売されています。大手メーカーが販売するフッ素塗料についても詳しく紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
まずは、フッ素塗料の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
ご自宅の塗装工事に向いているか、ぜひチェックしてみてください。
フッ素塗料とは、蛍石(ほたるいし)を原料としたフッ素樹脂を配合した塗料のことをいいます。
高価な塗料ですが、優れた耐久性や耐候性を持っているので、一般住宅だけでなく大型建造物での塗装にも使われます。
一般住宅では、紫外線による劣化が激しい屋根を中心に、外壁やシャッターなどに使われることが多いです。
さらに、航空機や調理器具などにも使われており、さまざまな用途があります。
利用シーン | 使用例 |
---|---|
ビルやタワーなどの大きな建物 | 東京スカイツリー、明石海峡大橋、マリーナベイサンズにAGCの「ルミフロン」が使われている |
一般住宅 | 屋根や外壁、シャッターなど |
建造物以外 | 飛行機やフライパンなど |
フッ素塗料は耐用年数が長く、塗り替え頻度を少なくすることが可能です。
一度の工事価格は高くとも、結果的に建物のライフサイクルコストの削減につながるでしょう。
また、フッ素樹脂には「3フッ化型フッ素樹脂」と「4フッ化型フッ素樹脂」があります。
「3フッ化型」は紫外線に弱いので、耐久性は4フッ化型の方が高いです。
現在販売されている塗料の中で、合成樹脂を主成分としているタイプのものでは「4フッ化型フッ素塗料」が最もハイグレードな塗料となっています。
次に、フッ素塗料のメリットを紹介します。
わかりやすいように表にまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
優れている点 | 概要 |
---|---|
耐久性・耐候性 | ・紫外線に強い |
親水性・低摩擦性 | ・雨と一緒に汚れを落とす |
耐摩耗性 | ・光沢が長持ちする |
耐薬品性 | ・酸性雨に強い |
防藻性・防カビ性 | ・藻やカビが付きにくい |
耐熱性 | ・紫外線の熱による劣化がしにくい |
まず、フッ素塗料で注目すべきメリットは耐久性・耐候性の高さです。
特に「4フッ化型」は変形や変色、劣化などがしにくい特性を持っています。
耐摩耗性も優れていて、光沢が長持ちしやすいです。
たとえば、シリコン塗料の光沢は8〜10年ほどで20%減少するのが一般的になります。
しかし、フッ素塗料の光沢は20年ほどでわずか10%しか減少しません。
>> シリコン塗料の特徴は?おすすめの商品なども詳しく解説!
また、耐熱性もあるので、屋根や外壁に塗装することで紫外線や外気などの熱から住宅を守ってくれる効果が期待できます。
フッ素塗料のデメリットを紹介します。
デメリットも以下の表にまとめてみました。
弱い点 | 概要 |
---|---|
一般住宅の塗料としてはコストが高い | シリコン塗料の1.6倍ほど高い |
再塗装がやや難しい | 塗膜の耐久性が低下していない場合は塗料の密着性が悪い |
塗膜が硬く、弾力性がない | ヒビが入ることもある |
フッ素塗料は、メリットと表裏一体のデメリットを持っています。
フッ素塗料の塗膜は、硬くて親水性を持つため、塗り替える際に塗料の密着を妨げる可能性が高いです。
そのため、塗り替える際は密着性が高くなるように、適した下塗り塗料を選ばなければなりません。
また、塗膜が硬い性質のためひび割れを起こしやすくなります。
サイディング外壁の継ぎ目に施工するコーキングと相性が悪く、ひび割れを防ぐためにひと手間を加えた施工(※1)が必要になるでしょう。
※1 サイディング外壁の塗装後にコーキングを後打ちする
おすすめの業者をご紹介
フッ素塗料は、以下の条件に当てはまる方におすすめできます。
● 光沢のある仕上がりにしたい
● トータルコストを節約したい
フッ素塗料の多くはツヤありなので、光沢のある外壁にしたい方におすすめです。
また、耐久性が高いため、将来かかる塗装費用の合計金額を抑えられるでしょう。
以下にて、フッ素塗料に適した下地の外壁材について紹介します。
ご自宅の外壁はフッ素塗料での塗装に向いているか、確認してみてください。
フッ素塗料は、基本的に以下のような外壁材への塗装に向いています。
● サイディング
● モルタル
● ALC
● コンクリート
● トタン
ただし、フッ素塗料は追従性が低くひび割れしやすいというデメリットがあるため、モルタル外壁への塗装には注意が必要です。
モルタル外壁に塗装する際は、弾性の高いタイプを選ぶようにしましょう。
>> サイディング外壁はメンテナンス不要?施工の方法についても解説!
>> モルタル外壁の塗装のポイントは?費用なども詳しく説明!
ほかの塗料タイプよりも価格が高い、フッ素塗料を使っての塗装工事の費用を少しでも安く抑えるための方法には以下の3つがあります。
● 屋根と外壁を同時に塗装する
● 施工不良が少ない優良業者に依頼する
● 塗装箇所が悪化する前に施工を行う
それぞれの方法を以下で解説していきます。
屋根と外壁を別々に塗装すると、足場の設置費用が2回分必要となるため、同時に施工すると工事価格を抑えられます。
屋根や外壁の塗装時にかかる足場の設置費用の相場は、30坪の住宅でおよそ10〜15万円です。
そのため、もし屋根と外壁の塗装工事を別々に行った場合は、足場の設置費用は合計20〜30万円ほどかかることになります。
例えば、10年ごとに屋根と外壁の塗装が必要と考えると、長い目で見た場合、2つの工事を同時に行う方が費用は大きく削減できるでしょう。
優良業者に工事を依頼することで、施工不良を防いで不要な出費を抑えることにつながります。
優良業者かどうかは、以下のポイントから判断するとよいでしょう。
● 施工実績が豊富
● 見積書がわかりやすい
● 説明が丁寧
特に注意しておきたい点は、訪問営業の業者へすぐに依頼するのは避けることです。
訪問営業を行う業者は、依頼を得るためにさまざまな手で契約を迫ることがあります。
「今だけキャンペーンを行っている」「急がないと住宅が危ない」といった契約を焦らすような言葉には警戒をしておくことが大切です。
訪問営業の業者に塗装工事の契約を迫られたら、家族や第三者に相談すると伝えてその場ではサインしないようにしましょう。
屋根・外壁の劣化や破損が悪化してから塗装工事を行うと、補修に費用がかかるため、不具合を見つけたら早めに依頼することが大切です。
屋根や外壁の劣化が進行すると、シロアリや雨漏りの発生につながります。
それぞれの補修工事は大掛かりとなり、費用も高額になりやすいため、破損や劣化が軽微なうちに塗装を行いましょう。
おすすめの業者をご紹介
フッ素塗料の施工単価の相場は、1㎡あたり3,000~5,000円ほどです。
また、耐用年数はおよそ12〜20年もあります。
合成樹脂を主成分とする塗料の中では、最もハイクラスです。
それでは、ほかの塗料との価格や耐用年数の違いをご紹介します。
価格と耐用年数を、塗料のタイプ別にまとめましたので、ぜひ比較してみてください。
塗料 | 価格(1㎡あたり) | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 1,000~1,800円 | 3~8年 |
ウレタン樹脂塗料 | 1,500~2,500円 | 5〜10年 |
シリコン樹脂塗料 | 1,800~3,500円 | 8〜15年 |
フッ素樹脂塗料 | 3,000~5,000円 | 12〜20年 |
ここで注目したいのが、『ライフサイクルコスト(LCC)』になります。
ライフサイクルコストとは、新築の家が古くなり解体するまでにかかる、塗り替え費用の合計額です。
仮に住宅を40年後に解体するとして、各塗料でどれぐらいの費用がかかるのか試算してみましょう。
以下にて、塗料タイプ別に延べ床面積40坪程度の住宅の外壁塗装にかかる費用とライフサイクルコストを一覧表にしてまとめました。(工事費は、「1回の工事費」の概算値)
塗料 | 工事費 | 塗替回数 | LCC |
---|---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 約65万円 | およそ5回 | 325万円ほど |
ウレタン樹脂塗料 | 約80万円 | およそ3回 | 240万円ほど |
シリコン樹脂塗料 | 約100万円 | およそ2回 | 200万円ほど |
フッ素樹脂塗料 | 約150万円 | およそ1回 | 150万円ほど |
>>【40坪】外壁塗装の費用相場!シリコン・フッ素などの塗料別の価格帯や内訳は?
上述の表のように、塗装回数がほかの塗料タイプに比べて少なく済むフッ素塗料のライフサイクルコストが最も安い傾向があります。
安価な塗料が必ずしも高コスパとはいえないので、塗料選びの際は耐用年数についても考慮しておきましょう。
>> アクリル塗料は、他の塗料と何が違う?メリット・デメリットを解説!
>> ウレタン塗料が適しているのはどんな場合?塗料の特徴なども詳しく説明!
>> シリコン塗料の特徴や主な商品を徹底解説!
フッ素塗料を販売している主要な塗料メーカーと、それぞれのおすすめの商品についてご紹介します。
塗料選びにお悩みの方は、ぜひ参考になさってみてください。
日本ペイントは、住宅だけでなく自動車や大型建築物の塗料を製造・販売する大手の塗料メーカーです。
また、創業140周年を超える老舗の塗料メーカーでもあります。
日本ペイントが販売するフッ素塗料は、以下のような商品です。
● ファイン4Fセラミック
● サーモアイ4F
● ファイン4Fベスト
● ピュアライドUVプロテクト
● デュフロン4FIIフレッシュ
● 1液ファインフッソUV
以下にて、それぞれの塗料の特徴を一覧表にしてまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
商品名 | タイプ | 用途 | 単価の目安 |
---|---|---|---|
ファイン4F | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 3,070~5,630円/㎡(2工程) |
サーモアイ4F | ・弱溶剤 | 主に屋根 | 5,010~5,040円/㎡(3工程) |
ファイン4F | ・弱溶剤 | 主に屋根 | 4,750円/㎡(3工程) |
ピュアライド | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 3,580円/㎡(2工程) |
デュフロン4FⅡ | ・強溶剤 | 主に外壁 | 3,530円/㎡(2工程) |
1液 | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 4,410円/㎡(3工程) |
日本ペイントが販売しているフッ素塗料の多くは、弱溶剤2液型や4フッ化フッ素であることが特徴です。
水性1液型や3フッ化フッ素に比べて、高い耐久性が期待できます。
>> ファイン4Fセラミックとは?塗装時の注意点も詳しく解説!
>> サーモアイにはどんな特徴がある?メリット・デメリットも紹介!
エスケー化研は、建築用の仕上げ材や塗料の総合メーカーです。
エスケー化研が販売するフッ素塗料には、以下のような商品があります。
● クリーンマイルドフッソ
● スーパーセラタイトF
● クールタイトF
以下にて、それぞれの塗料の特徴を一覧表にまとめてご紹介します。
商品名 | タイプ | 用途 | 単価の目安 |
---|---|---|---|
クリーンマイルドフッソ | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 2,800円/㎡ |
スーパーセラタイトF | ・水性 | 主に外壁 | 2,900円/㎡ |
クールタイトF | ・弱溶剤 | 主に屋根 | 4,300円/㎡(トタン屋根) |
「スーパーセラタイトF」は水性1液型で、扱いやすい塗料です。
また、「ラジカル制御性能」には塗膜の劣化を防ぎ、耐用年数を維持する効果があります。
関西ペイントは、建築用や自動車、船舶などの塗料を製造・販売する企業です。
関西ペイントが販売するフッ素塗料には、以下のような商品があります。
● セラMフッソ
● アレスアクアフッソⅡ(上塗)
● スーパーフッソルーフペイント
以下にて、それぞれの塗料の特徴を一覧表にしてまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
商品名 | タイプ | 用途 | 単価の目安 |
---|---|---|---|
セラMフッソ | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 3,630円/㎡ |
アレスアクアフッソⅡ上塗 | ・水性 | 主に外壁 | 3,130円/㎡ |
スーパーフッソルーフペイント | ・弱溶剤 | 主に屋根 | 3,420円/㎡ |
水性の「アレスアクアフッソⅡ上塗」は、臭いが少なく住宅密集地でも使いやすい塗料です。
弱溶剤1液型の「スーパーフッソルーフペイント」は、艶のある鮮やかな仕上がりになる点が特徴のひとつになります。
商品名 | タイプ | 用途 | 設計価格 |
---|---|---|---|
キクスイ SP | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 3,400~3,700円/㎡ |
水系ファイン | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 2,600円/㎡ |
「キクスイ SPパワーフッ素」は、長期間の耐候性の持続が期待できます。
「水系ファインコートフッ素」は、紫外線などの外的な要因による変色といった劣化の抑制効果があります。
KFケミカルは、建築塗料や土木資材などを製造・販売するメーカーです。
KFケミカルが販売するフッ素塗料には、以下のような商品があります。
● セミフロンスーパーマイルドⅡ
● セミフロンルーフⅡ
● セミフロンアクア
それぞれの塗料の詳細について、一覧表にまとめてご紹介します。
商品名 | タイプ | 用途 | 単価の目安 |
---|---|---|---|
セミフロン | ・弱溶剤 | 主に外壁 | 3,900円/㎡ |
セミフロンルーフⅡ | ・弱溶剤 | 主に屋根 | 3,600~5,500円/㎡ |
セミフロンアクア | ・水性 | 主に外壁 | 3,300~4,450円/㎡ |
「セミフロンルーフⅡ」は、耐候性だけでなく、遮熱性も高く、屋根の表面温度を下げる効果も期待できます。
「セミフロンアクア」は、水性なので臭いも少なく使いやすい塗料です。
ラジカル制御型なので、チョーキング現象の発生を少なくすることが期待できます。
おすすめの業者をご紹介
屋根も外壁と同様にフッ素塗料で塗装できます。
ただし、屋根は大量に紫外線を受けるので、塗料が劣化しやすい場所です。
外壁と同じ塗料で塗ったとしても、屋根の方が早く寿命を迎えるでしょう。
そのため、塗り替え時期を合わせるために、外壁はシリコン塗料、屋根はフッ素塗料を塗るといった塗り分け方法も採用されています。
フッ素塗料は高額ですが、うまく使えばライフサイクルコストを抑えられるでしょう。
フッ素塗料は弾力性が低いため、塗装方法を間違うとひび割れしやすくなるので施工の際は注意が必要です。
そのため、弾性の高いタイプのフッ素塗料を選んだり、コーキングを後で施工するなどの対処を行ったりしなければなりません。
フッ素塗料で適切な施工を行ってもらうためにも、業者選びの際は施工実績を確認させてもらい、フッ素塗料の使用歴があるかチェックしておきましょう。
フッ素塗料のメリットを十分に発揮して外壁塗装を行うためには、施工実績のある優良業者に依頼することが大切です。
フッ素塗料は、住宅の外壁用塗料の中では耐用年数が比較的長く、親水性や防汚性能も優れていて美観が長く保てます。
その高い性能から、大型の建造物や航空機などにも使われていますが、高価なので一般住宅での普及率はまだ低いです。
フッ素塗料は2液型タイプが多く、手抜き工事をされないか注意が必要となります。
また、ひび割れしやすいというデメリットもあるため、施工に慣れた業者に任せた方が安心です。
フッ素塗料を外壁塗装に採用するなら、信頼できる塗装業者に依頼しましょう。
最後に、今回の内容を以下にて簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
フッ素塗料の特徴を教えてください。 |
---|
「耐用年数が比較的長い」「光沢が長続きしやすい」といった特徴があります。 |
フッ素塗料を開発している主なメーカーを教えてください。 |
「日本ペイント」「エスケー化研」「関西ペイント」といった会社が挙げられます。 |
■この記事の編集者 |
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