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「ナノテク塗料ってどんな塗料なの?」「ナノテク塗料に興味があるので費用相場を知りたい」このようにお考えではないでしょうか。ナノテク塗料は歴史が浅く、近年名前を聞くようになったものの、どのような特性があるのか知っている人は多くありません。よく知らないままナノテク塗料で塗装をすると、性能を十分活かせない恐れがあるでしょう。そこで今回の記事では、ナノテク塗料について以下のような内容を紹介します。記事を読んでいただくことで、ナノテク塗料がどのような塗料かよく理解したうえで、使用するか検討できるようになるでしょう。
ナノテク塗料とは、その名のとおりナノテクノロジーを活用した塗料です。
ナノテクノロジーとは、10億分の1を意味する「ナノ」とテクノロジーを組みあわせた言葉で、原子や分子のスケールで制御する技術を指しており、近年は情報技術やバイオ、医療、エネルギーなどさまざまな分野で活用されています。
そんなナノテクノロジーを塗料に活用し、樹脂をナノレベルにまで小さくしたものがナノテク塗料です。
塗膜の「つなぎ剤」の役割を果たす樹脂をナノレベルまで小さくすることにより、さまざまなメリットを引き出しています。
代表的なナノテク塗料には、水谷ペイント株式会社が販売している「ナノコンポジット」が挙げられるでしょう。
ナノコンポジットは、水谷ペイント株式会社と国立京都工芸繊維大学、科学技術振興機構が連携して生み出されました。
>> 水谷ペイントなど、おすすめの塗料メーカーを紹介!それぞれの商品の特徴は?
ナノコンポジットは、20〜30ナノメートルの超微粒子シリカ(ガラスの微粉末)をアクリルシリコン樹脂で覆うことで、樹脂の大きさを50〜60ナノメートルにまで小さくしています。
樹脂をナノレベルまで小さくすることで、ハイレベルな機能を付加することに成功したのです。
樹脂をナノレベルまで小さくしたナノテク塗料には、7つもの特徴があります。
・地球温暖化対策に貢献できる
・汚れにくい
・色あせしにくい
・燃えにくい
・速乾性がある
・シックハウス症候群になりにくい
・カビや藻を寄せつけない
それぞれ詳しく解説していきます。
ナノテク塗料は樹脂の使用量を大幅に削減することで、地球温暖化対策に貢献しています。
樹脂は塗料にとっては不可欠な原材料の一つです。
しかし原料を製造するときに原油を精製する工程や、塗料を焼却廃棄するときに、どうしても多量のCO2を発生させてしまいます。
ナノテク技術を応用し、樹脂を可能な限り削減すれば、CO2を減らすことにつながるのです。
たとえば代表的なナノテク塗料である水谷ペイント株式会社の「ナノコンポジット」は、塗料に使用される樹脂の量を従来の溶剤系塗料と比較して約5分の1、水性塗料と比較しても約2分の1にまで削減しています。
塗装面積が約300㎡の一戸建てをナノコンポジットで塗装した場合で、500ミリリットルのペットボトル約300本分、ガソリン換算なら約10リットルもの石油系資源を削減できるのです。
さっそく業者を探してみる
ナノテク塗料は、塗装した壁が汚れにくいことも特徴です。
従来の塗料は、汚れが塗膜に付着したらそのまま中まで侵入して落ちなくなる問題を抱えていました。
ナノテク塗料は、塗膜の中にガラスの微粉末である「微粒子シリカ」が均一に分散していることが特徴です。
微粒子シリカは石やガラスのような、無機質的な特性をしているので、汚れが塗膜に侵入するのをブロックする働きをしており、静電気の帯電を防ぐ役割もあるため、汚れが付着しにくくなります。
またナノテク塗料は、親水性が高いことも特徴です。
親水性は、主に、ものの表面に水が膜のように薄く広がる性質を指します。
雨が降ったときに水が膜を作るので、表面にうっすら残った汚れも、基本的に浮かせて洗い流すことが可能です。
ナノテク塗料は、従来の塗料と比較して色あせしにくいことも特徴です。
従来の塗料は、紫外線の強いエネルギーを受けると顔料の科学的な色素結合が切断されて、本来の色が出にくくなってしまいます。
その点、ナノテク塗料は紫外線に強いシリコン化合物を配合しているので色あせしにくいです。
ナノテク塗料は一般の塗料と比較して、燃えにくい特性があります。
火災が発生しても、表層の有機成分が燃焼して無機有機融合膜が形成されるので、酸素を遮断するのです。
ものが燃えるときに必要な酸素が供給されなくなることで、燃焼が抑えられます。
塗料に含まれるシリカ微粒子が、水の蒸発を促進するため速乾性があることも、ナノテク塗料の特徴です。
さらに水性であることから、乾燥時に溶剤が揮発する刺激臭がしないこともポイントになります。
ナノテク塗料を使用すると、シックハウス症候群になりにくいこともメリットです。
厚生労働省は、シックハウス症候群の原因物質としてホルムアルデヒドを規制しています。
ナノテク塗料のナノコンポジットは、ホルムアルデヒドの飛散がもっとも少ないことを証明するF☆☆☆☆(フォースター)を取得しているため安心して使用できるでしょう。
>> F☆☆☆☆取得のファインシリコンフレッシュとは?メリット・デメリットなども詳しく説明します!
>> F☆☆☆☆取得のオーデフレッシュとは?特徴・価格を徹底解説!
ナノテク塗料には防かび・防藻剤が添加されているので、カビや藻が発生しにくくなることも特徴です。
汚れがつきにくく、建物の美観を長く保つことができます。
ナノテク塗料の費用相場は、外壁の素材や仕上げの工法によりますが、設計価格は2,300〜4,500円/㎡程度です。
一般的なシリコン塗料で1,800〜3,500円程度であることを考えると、高額であることがわかります。
平米単価でみると、フッ素塗料が一番近い塗料になります。
ナノテク塗料の耐用年数は11〜17年とシリコン塗料と同程度であることから、得られるメリットに価値を感じるかによって使用するかを決めるとよいでしょう。
>> フッ素塗料とは?特徴や価格も説明します!
>> 外壁塗装の耐用年数は、どのくらい?寿命を延ばすための対策も解説!
以下に塗料ごとの耐用年数やリフォーム価格の表を掲載していますので、ご覧ください。
塗料名 | 耐用する年数 | リフォーム価格(/㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5~7年 | 1,500円前後 |
ウレタン塗料 | 7~10年 | 1,600~2,100円 |
シリコン塗料 | 9~15年 | 2,300~3,000円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 3,800~4,800円 |
ラジカル塗料 | 12~15年 | 2,300~3,700円 |
セラミック塗料 | 17~20年 | 5,000~20,000円が目安 |
光触媒塗料 | 15~20年 | 3,500円前後 |
無機塗料 | 20~25年 | 4,500~5,500円 |
ナノテク塗料 | 11~17年 | 2,300~4,500円が目安 |
さっそく業者を探してみる
地球温暖化に貢献できるうえ、汚れにくい、燃えにくいといった特徴のあるナノテク塗料ですが、使用する際には注意することもあります。
高価なナノテク塗料の性能を十分発揮するためにも、注意点をあらかじめ押さえておきましょう。
ナノテク塗料は親水性が高く、セルフクリーニング機能を発揮することで汚れが付きにくいことが特徴です。
しかし汚れが集中する箇所や雨が当たらない環境では、機能が低下したり効果を発揮するのに時間がかかったりする可能性があります。
機能を発揮するためには、とくに汚れが集中しやすい部分への対処が必要でしょう。
たとえば陸屋根の壁面との境目にあるパラペット部分については、建物の内側に雨水が流れやすいよう、内側に傾斜させたり水切りを設置したりするなどの対策があります。
ナノテク塗料を使用するときには、可塑剤(材料を柔らかくするために加える成分)が移行しにくいシーリング材を使用することも重要になります。
可塑剤を含むシーリング材の上にナノテク塗料を塗布すると、可塑剤が移行してナノテク塗料の塗膜表面を軟化させて汚れが付きやすくなる可能性があるためです。
汚れが付きにくいナノテク塗料の特性を活かすためにも、可塑剤が移行しにくいシーリング材を使用するようにしましょう。
ナノテク塗料の使用を検討する場合には、施工実績がある業者を探すことも大切でしょう。
ナノテク塗料は歴史が浅く、対応できる業者は少ないことが現実です。
施工経験のない業者に依頼してしまうと、ナノテク塗料の持つ特性を十分活かせないかもしれません。
ナノテク塗料の効果を最大限に発揮するなら、知識とノウハウのある施工実績のある業者を選ぶようにしましょう。
最後に、今回の内容を簡単にまとめてみましたので、ご確認ください。
ナノテク塗料を使用するメリットは何ですか? |
---|
「シックハウス症候群になりにくい」「カビや藻が発生しにくく、美観を長く保てる」といったメリットがあります。 |
ナノテク塗料の価格は、他の塗料に比べてどうでしょうか? |
2,300~4,500円/㎡が目安ですが、一般的によく使われるシリコン塗料などと比べるとやや高額になります。 |
ナノテク塗料を使って塗装をする場合は、どんな業者に頼んでも特に問題ないでしょうか? |
ナノテク塗料は比較的新しい塗料なので、実績や経験のある業者を慎重に選びましょう。 |
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