外壁塗装のタイミングはプロでないと見極めるのが難しく、まだ必要ないのに塗り直してしまったり、すべきタイミングを逃してしまったりすることがあります。塗装にかかる期間や費用を考えると、なるべくベストなタイミングで損をせず施工したいものです。この記事では、外壁塗装をまだしないほうがよいケースや、外壁塗装をする適切なタイミングを解説します。外壁の劣化症状の例や業者に施工を依頼するときのポイントも説明するので、外壁塗装を迷っている方はぜひ参考にしてください。
外壁塗装はまだするな!4つのケース
外壁塗装をすべきでないケースには以下の4つがあります。
● 劣化症状がない
● 雨漏りしている
● 業者に点検してもらっていない
● 今なら安くできると業者にいわれた
劣化症状がない
とくに劣化している部分が見当たらなければ、急いで塗装をする必要はありません。
汚れが気になるだけであれば、塗装をしなくても高圧洗浄などの清掃のみでキレイになる場合もあります。
ただし、以下の劣化症状が見られる場合には塗装を検討しましょう。
● チョーキング(外壁に触ると手に白い粉がつく)
● コケ
● カビ
● 変色・退色
● ひび
● 剥離
雨漏りしている
雨漏りしているときは、塗装とは別に修理が必要です。
原因や箇所に合わせて、コーキングを打ち替えたり外壁全体を張り替えたりします。
雨漏りの原因の特定は難しく、専門業者ではないと対応できないことが大半です。
外壁に雨漏りがある場合は塗装業者ではなく、NPO法人雨漏り診断士協会に認められた「雨漏り診断士」の資格を持つ専門業者に相談しましょう。
業者に点検してもらっていない
塗装の実施を決定するのは、外壁の状態をしっかりプロの業者に点検してもらってからにしましょう。
外壁塗装する方の中には、突然営業マンに訪問され、2~3分程度外壁をチェックしてもらっただけで外壁塗装を決定してしまう方もいます。
しかし、外壁の点検は通常「外壁劣化診断士」や「塗装技能士」などの専門資格を持ったプロによって行われ、30分から1時間程度かかります。
突然訪問に来た営業マンに短時間の点検で塗装を勧められた場合は、とくに異常がないにもかかわらず外壁塗装の話を持ちかけられているかもしれません。
塗装を決定する前に専門業者に点検してもらい、外壁塗装の必要性を見極めましょう。
今なら安くできると業者にいわれた
「今日成約するなら安くできる」「期間限定で半額で塗装できる」などといわれた場合は要注意です。
実際には最初から割引前提で価格が設定されていたり、割引する代わりに手抜き工事をされたりする可能性があります。
値引きに惑わされず、なぜそれほど安くできるのか、本当に今外壁塗装が必要なのかを冷静に考えましょう。
外壁塗装の工事をすべきか
\地元の業者に相談したい!/
外壁塗装をする適切なタイミング
外壁塗装に適切なタイミングは以下の4つです。
● 外壁材によって判断する
● 塗料の耐用年数で判断する
● 前回の外壁塗装から10年前後を目安にする
● 劣化症状で判断する
それぞれのタイミングについて詳しく解説します。
外壁材によって判断する
窯業系サイディングやモルタルを使った外壁は、防水性の維持のため定期的な塗り替えが必要です。
一方、タイルやレンガの場合は耐水性が高いため塗装は不要です。
窯業系サイディングは日本の外壁材でおよそ80%のシェア率を誇っています。
したがって、多くの家でメンテナンスのために外壁塗装が不可欠です。
塗料の耐用年数で判断する
塗料にはさまざまな種類があり、以下の表のとおりそれぞれ耐用年数が異なります。
塗料 | 耐用年数 |
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アクリル塗料 | 5~7年 |
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ウレタン塗料 | 7~10年 |
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シリコン塗料 | 9~15年 |
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フッ素塗料 | 15~20年 |
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ラジカル塗料 | 12~15年 |
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セラミック塗料 | 17~20年 |
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光触媒塗料 | 15~20年 |
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無機塗料 | 20~25年 |
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ナノテク塗料 | 11~17年 |
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イノセンス塗料 | 20~30年程度以上 |
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ハイブリッド塗料 | 13~16年前後 |
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多くの塗料が10年程度で塗り替えが必要ですが、中には20年以上効果が持続する塗料もあります。
詳しい塗料の種類や特徴は、以下の記事を参考にしてみてください。
前回の外壁塗装から10年前後を目安にする
現在の塗料がわからないときは、前回の外壁塗装から10年前後を目安に塗り替えましょう。
10年前によく使用されていたウレタン塗料やシリコン塗料は、大体10年で寿命を迎えるからです。
とくにウレタン塗料は年月とともに塗膜が膨らんだり、紫外線により変色したりしやすいので、こまめなメンテナンスが必要です。
劣化症状で判断する
以下の劣化症状があれば前回の塗装効果がすでに薄れているので、外壁塗装を検討しましょう。
● チョーキングが起きていないか
● コケやカビが発生していないか
● 変色や退色をしていないか
● ひび割れがないか
● 塗装が膨れていないか
● 塗装が剥がれてきていないか
チョーキングが起きていないか
外壁を触ると手に白い粉がつくことをチョーキングといいます。
塗料の劣化により起こる症状です。
チョーキングを長期間放置すると外壁の下地材が劣化しやすくなるため、塗り替え工事を検討しましょう。
チョーキングの詳しい症状や補修費用は、以下の記事を参考にしてみてください。
コケやカビが発生していないか
コケやカビは水分の多い場所で発生し、日当たりの悪い北側の外壁でよく見られます。
緑や黒の汚れで家の外観が悪くなるほか、「コケやカビがある=水はけが悪い部分」でもあり、外壁の防水性が低下している可能性もあります。
防水性が低下すると、湿気を含んだ木材が大好きなシロアリを引き寄せてしまうこともあります。
できるだけ早めに掃除し、それでもまたすぐにコケやカビが出るようであれば外壁塗装の業者に相談をしましょう。
変色や退色をしていないか
紫外線により塗料の中の樹脂や顔料が劣化すると、外壁の変色や退色が発生します。
樹脂とは塗料の耐用年数に関わる成分、顔料とは塗料の色に関わる成分です。
基本的に変色や退色は外観が悪くなるだけで、住宅の安全性には影響しません。
しかし経年劣化のサインであることには変わりなく、ほかにもなんらかの劣化症状が生じている可能性があるので、外壁塗装を検討しましょう。
ひび割れがないか
ひび割れは外壁材や塗装の劣化により起こります。
ひびが入った部分から雨漏りしたり、雨漏りが原因でカビやシロアリが発生したりと住宅のさらなる劣化につながるため、できるだけ早めに外壁塗装を含む補修を依頼しましょう。
ひび割れの補修に関する詳しい解説は、以下の記事を参考にしてみてください。
塗装が膨れていないか
外壁材と塗装部分の密着性が失われると、塗装が膨れはじめ、やがて剥離してしまいます。
塗装が剥がれると下地が露出してしまうので、塗り替えを検討しましょう。
塗装が剥がれてきていないか
塗装が剥がれると下地がダメージを受けやすくなり、住宅そのものの寿命が短くなってしまう可能性があります。
下地が深刻なダメージを受けないよう、できるだけ早めに外壁をメンテナンスしましょう。
詳しい塗装剥離の症状や原因は、以下の記事を参考にしてみてください。
以上の劣化症状で外壁塗装の必要性を判断し、自分ではよくわからない場合は、築年数に応じて業者に相談してみてくださいね。
外壁塗装の工事をすべきか
\地元の業者に相談したい!/
外壁塗装にオススメの季節
外壁塗装の実施は、春と秋がもっとも適しています。
塗料の硬化や乾燥には気温15~30度、湿度75%以下の時期がベストです。
以下の表では、季節と外壁塗装のしやすさをまとめています。
季節 | 外壁塗装のしやすさ |
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春(3~5月) | ・比較的降水量が少なく外壁塗装にオススメの季節
・職人の繁忙期のため価格が上がりやすい |
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夏(6~8月) | ・梅雨や湿度の高さから外壁塗装には不向き
・雨が降っていなければ問題なく塗装できる |
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秋(9~11月) | ・比較的降水量が少なく外壁塗装にオススメの季節
・年内に工事を終わらせたい人からの依頼が多く職人が忙しいため、価格が上がりやすい |
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冬(12~2月) | ・霜や雪が降りやすいため外壁塗装には不向き
・閑散期なので安く施工できる可能性がある |
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地域によって塗装のしやすい季節に若干違いがあるので、オススメの塗装時期について詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
外壁塗装に失敗するケース3つ
ここからは、外壁塗装に失敗するケースについて解説します。
● 外壁材が傷んでいて張り替えが必要だった
● 外壁塗装が必要ない外壁材だった
● 悪質業者に委託してしまった
外壁材が傷んでいて張り替えが必要だった
外壁材自体が傷んでいる場合、塗装をしてもすぐにまた劣化してしまうことがあります。
外壁材の傷み具合によっては、塗装ではなく張り替えをしたほうがよいケースもあります。
以下の表では、外壁材ごとの耐用年数をまとめています。
外壁材 | 耐用年数 |
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サイディング | 20〜30年 |
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モルタル | 30年以上 |
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タイル | 30〜50年 |
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耐用年数を参考に、外壁塗装を依頼する前に外壁材についてよく確認してみてください。
外壁塗装が必要ない外壁材だった
タイルやレンガは耐久性が高いため、塗装の必要がありません。
紫外線から受ける影響も少なく、塗装をしなくても基本的には長持ちします。
ただし、サイディングの場合は定期的な塗装が必要であり、とくに窯業系サイディングはよりこまめなメンテナンスが必要です。
窯業系サイディングは素材自体には防水機能がないため、定期的に塗装しないとチョーキングやひび割れが起きやすくなります。
外壁材ごとに塗装の必要有無を理解し、適切にメンテナンスしましょう。
悪質業者に委託してしまった
手抜き工事をしたり相場より遥かに高い金額を請求したりする悪質な業者に依頼してしまうと、せっかくの外壁リフォームが残念なものになってしまいます。
外壁塗装のトラブルを避けるために、見積もりは複数の業者に依頼し、費用や工事内容をよく比較して選びましょう。
外壁塗装の工事をすべきか
\地元の業者に相談したい!/
外壁塗装を業者に依頼するときのコツ3つ
ここでは、悪徳業者を避けて満足のいく外壁リフォームができるよう、外壁塗装を業者に依頼するときのコツを3つ紹介します。
● 複数社に見積もりをとる
● 施工実績を確認する
● アフターフォローや保証内容を確認する
複数社に見積もりをとる
見積もりは複数社に依頼し、相場を見極めて適正価格の業者を選びましょう。
あまり多くの業者に依頼すると迷ってしまいますが、最低でも3社に見積もりを取って検討するのがオススメです。
見積もりを依頼した中に高すぎる業者がいれば、候補から外しましょう。
安すぎる場合も手抜き工事をする可能性があるので、避けることをオススメします。
見積書の見方や費用単価などは以下の記事で詳しく解説しています。
施工実績を確認する
十分な知識と経験のある業者かどうかは、施工実績を見ればわかります。
ホームページを見て、どのような施工をしてきたのか、どれくらいの料金で施工をしているのかを確認しましょう。
実績が豊富でそれぞれの事例に細かい説明があれば、信頼できる業者の可能性が高いでしょう。
アフターフォローや保証内容を確認する
契約する前に、アフターフォローの有無や保証内容をよく確認しましょう。
経験のある業者でもミスが起きてしまうことはあります。
万が一のことを考えて、施工後のサポートが充実している業者を選びましょう。
どのような保証がどのような条件で受けられるのか、保証の有効期限はいつまでかをチェックしてみてくださいね。
また、いった・いわないのトラブルにならないよう、保証内容は書面で受け取りましょう。
外壁塗装をすべきか迷ったら業者に相談しよう
外壁塗装はすべき場合としないほうがよい場合とがあり、なかなか判断が難しいこともあります。
判断に迷ったら、ぜひリショップナビ外壁塗装で業者に相談してみてください。
お近くの外壁塗装業者かつ優良業者を紹介します。
見積もりは無料で依頼できるので、相場だけ知っておきたいという方も使ってみてくださいね。
外壁塗装をすべきではないのは、どんなときですか? |
「業者の点検が済んでいない」といったときです。 ただし点検が済んでいても、点検した業者や点検内容によっては外壁塗装の実施を決めるべきではない場合があります。 詳しくは、こちら。 |
外壁塗装の適切なタイミングは、何で判断すればよいですか? |
「外壁材の種類」「外壁の劣化症状」などから判断をしましょう。 外壁材の種類によっては塗装が不要なものもあります。 詳しくは、こちら。 |